SSLビジネスを切り拓くグローバルサインの新戦略

2008年02月13日(水)

[ 71 号]

 グローバルサインは、日本でのSSLビジネスで圧倒的な知名度とシェアを誇った日本ベリサイン社に挑み、後発ながら同社に迫ろうという位置を確保している。そこに至ったのは「SSL認証は高価で手間がかかる」というユーザの印象を払拭するための企業努力を怠らなかったことにある。日本発のSSLサービスをアジアから世界に発信しようとしている同社の戦略と現状を、武信浩史取締役に聞いた。

グローバルサイン・武信浩史取締役

グローバルサイン・武信浩史取締役


 もはやインターネットビジネスに欠かせないSSL認証だが、グローバルサインが設立された当時、日本では「とにかくコストがかかる」という印象を持たれており、導入に二の足を踏む企業も少なくなかった。
 「私たちが何をできるのかを考えたときに、今までのような『高価』『セキュリティが面倒』といった点を、逆に簡単にして価格もベリサイン社さんより安く提供することに注力した」と武信取締役は振り返る。

 同社が安価で手軽なSSL商品を発売したことで、中小企業やSOHOなど、小規模なインターネットビジネス事業者でもSSLの導入が容易になり、日本での普及が加速。日頃インターネットショッピングなどを利用する消費者の側の意識も変わり始めている。
 「ある調査では『サイトに不安を感じるときは何か』という質問に対し、『SSLを使っていない』と回答した人が8割もいました。SSLがネット上のセキュリティ対策として、かなり一般にも浸透している」と分析する。

 同社の強みは、日本でSSLサービスの商品開発を行っていることだ。
 「日本で著名の認証局は、アメリカで作ったものを日本に持ってくる、いわゆる代理店ですね。私たちは国内でサービス開発を行っているので柔軟性があります。また電子認証事業に特化していますので、非常に高い開発能力と提案能力で、お客様のニーズにお応えすることが可能です」

 そして、同社の目は今、アジアに向けられている。
 「今後は大きな成長が見込めるアジア諸国に注目しています。すでに多くの案件をいただいており、手応えを感じています。特に中国は、マーケットとして非常にポテンシャルがある」と世界展開の手がかりとして、アジア市場に熱い視線をおくる。

 インターネット人口が増えるにつれ、ドメイン取得もそれに比例する。さらにホスティングが普及し、それに伴ってSSLも広まっていくという過程をたどる。
 「中国は現在ドメイン取得のあたりまで来ています。インターネット業界は、他の業界以上にスピード勝負のところがありますから、先手先手を打って、中国市場に切り込んでいくのが最大の課題」と言いながらも、「さらに弊社では、世界初となるサービスを国内で真っ先に提供開始していきますので、期待していただきたい」と武信取締役。中国戦略と世界初となるサービスが、グローバルサイン発展の鍵を握りそうだ。(つづく)
( 文:吉岡里美、写真:岡部ユミ子 )

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