ネットビジネスを変える新潮流(第1回) CGMの台頭と新たな価値

2008年02月26日(火)

[ 73 号]

 今回から始まるこのコラムでは、インターネットの新たな潮流となったCGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)関連ビジネスの実態と可能性を、全10回の連載で考察していきたい。

ユーザーの成熟の証 “CGM”

 WEB2.0という概念を構成する要素はいくつかあるものの、その中で最も象徴的な現象が“ユーザー参加”を基盤とする“CGM”の台頭である。これまでは一方向に情報発信をする限られたオーソリティが主役であったネットの世界に、新たなコンシューマーというキャストが現れ、徐々に主役の座を奪われつつある、というのが現状だ。では、なぜコンシューマーの“侵攻”が始まったのか? これはマズローの欲求段階説から考察しても、ごく自然な流れのように思う。つまり成長の過程で、我々は安全で安定的な状態から、次第に他人と関わりを持ち共感したくなり、その後は自分が価値ある存在として認められ尊敬されたくなる、という欲求のステップを踏むというものである。ネットの世界も我々が住民である以上、例外ではなく、コンシューマーが成熟し賢くなった証として“つながりの場”、“自己主張の場”としてCGMビジネスが勃興してきたと考えられる。

みんなの意見は案外正しい

 CGMが語られる際に“メディア価値の低さ”がよく議論されるが、これは「木を見て森を見ず」と言えるかもしれない。確かに一本一本の“木”は弱々しく時には折れ曲がっているが、全体像としての“森”からは確実にリアルな感情・傾向が読み取れ、これはマーケティング的視点からも十分に価値のあるものである。ネットの主役がコンシューマーにシフトしつつある中で、限られた権威が押し付ける情報よりも「みんなの意見は案外正しい」という俯瞰的、集合知的な“叡智”こそが今日的な価値であり、これからのコンテンツ、ひいてはメディアの新たな評価指標となるべきかもしれない。この叡智をドライブさせるべく、ネット上に散在するCGMの膨大な情報を網羅的にユーザーに提供する仕組みとして、弊社が2006年9月に立ち上げたサービスがCGMのワンストップサーチ“TAGGY”である。

石上 裕◆2000年より株式会社ネットエイジにてさまざまなネットビジネスをプロデュースし、株式会社ライフバランスマネジメント取締役、株式会社タイルファイル取締役を歴任。 2006年9月、株式会社TAGGYを創業し、現在、同社代表取締役社長
( 石上 裕 [株式会社TAGGY 代表取締役社長] )

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