検索エンジンの新たな挑戦

ネットビジネスを変える新潮流(第3回)

2008年03月11日(火)

[ 75 号]

“一つ上”の検索エンジンへ

 検索エンジンの世界にも既に新たな潮流は押し寄せている。オーストラリア発の検索エンジンである Mooter はクラスタリング検索と呼ばれる機能により、ネット上の似た情報同士を関連付けて束ね、ユーザーの検索効率の向上を実現している。また、同じくオーストラリア発の Yahoo Alpha は自分が特定したサイト内だけを検索する仕組み、つまり「自分専用の検索エンジン」が生成できるモデルで、リーチしたい情報ソースが明快なユーザーにとっては便利なサービスである。このように検索エンジンはネット上の情報を網羅的に探し出せるのはもちろん、今や見つけ出すためだけのツールから“一つ上”の付加価値を兼ね備えたツールに進化しつつある。自分の欲しい情報だけを取捨選択して効率的に定点観測するという手法は、既にRSSフィードの世界、つまりそれなりにインターネットリテラシーの高いユーザーの間では浸透しているが、マス向けサービスの象徴であった検索エンジンでこのようなシフトが起きていることが特筆すべき点であろう。

検索させない“検索エンジン”?

 弊社のサービスも検索エンジンというポジションである以上、常に理想の形態を模索している。“ユーザーはそれほど暇じゃない”という発想は我々がサービス開発を行う上での根本思想になっているが、その観点から現在弊社が目指しているサービスモデルが“検索させない検索エンジン”である。インターネットサービスの本質が“ユーザーの煩わしさを解決する装置”であるならば、究極のサービスとは“何もさせないこと”である。ユーザーのアクションから関心事や嗜好性を判別し、必要とする情報をネット上から代理収集して適時お届けする、つまり“検索すらさせない”といったメカニズムだ。この概念は検索エンジンのみならず、すべてのインターネットサービスに共通する。単なるアグリゲーション(集約)から歩を進め、クラスタリング(関連付け)、スクリーニング(取捨選択)、そしてリコメンデーション(お薦め)という進化を辿ることで、よりユーザーユニークな“パーソナライズド・サービス”、つまり究極の“俺様ツール”が実現するのかもしれない。

石上 裕◆2000年より株式会社ネットエイジにてさまざまなネットビジネスをプロデュースし、株式会社ライフバランスマネジメント取締役、株式会社タイルファイル取締役を歴任。 2006年9月、株式会社TAGGYを創業し、現在、同社代表取締役社長
( 石上 裕(株式会社TAGGY 代表取締役社長) )

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