イジられコンテンツ“投稿動画”の行方は?

ネットビジネスを変える新潮流(第5回)

2008年03月25日(火)

[ 77 号]

みんなにイジられてこその“投稿動画”

 最近“動画”と言えば、YouTubeに代表されるCGMへの投稿動画を思い浮かべる人が大半であろう。今や動画には従来型のナショナルコンテンツとCGMコンテンツの2種類が存在するが、完成度で言えば当然後者、つまりプロフェッショナルな作品にはかなわない。ではその結果、素人が投稿したCGM動画が単なる低俗なコンテンツとして軽んじられているかというと、実はそうではない。CGM動画にはプロの完成度を凌駕するだけの“話題のネタ”というもう一つの強力な側面(むしろこちらが本質である)があるからだ。“ネタ”であるがゆえに、ブログに貼り付けて感想を述べたり、友人にシェアして盛り上がったり、みんなでワイワイガヤガヤとツッコミを入れたり、“イジる”という新しいコミュニケーションスタイルが生み出された。CGM動画の台頭は、作品そのものの評価もさることながら、こういった対外的コミュニケーションの“種”として活用されたことにより、ネット上に大量の“面白ネタ”が流通した結果なのかもしれない。弊社サービスTAGGYでも、人気のある動画には1日数百というコメントが付けられ、徐々にコミュニティが形成されつつある。今や動画の内容とはかけ離れたユーザー間のコミュニケーションが展開されている点も“種”たるゆえんであろう。

投稿動画の行方“リーンバック”

 では、この“イジられ”コンテンツである動画の行方は今後どうなるのか? その答えはLean Backという言葉で示せるかもしれない。リーンバック、つまりソファにもたれかかった状態でコンテンツを楽しむという世界だ。動画を観るという行為が主眼であれば、プレイリスト機能での一括再生、つまり“テレビライク”な関係構築が必要となる。大画面であれば尚良い。一方、動画を面白ネタとして、そこから派生するコミュニケーション自体を楽しむのであれば、もはや大画面である必要はなく、リアルタイム性に強いモバイルというデバイスが適切かもしれない。いずれにせよ、この二方向とも今までの“前のめり”な姿勢ではなく、“ゆるゆる”なリーンバックという関わり方である。この“お気楽さ”こそがCGM投稿動画の本質なのかもしれない。

石上 裕◆2000年より株式会社ネットエイジにてさまざまなネットビジネスをプロデュースし、株式会社ライフバランスマネジメント取締役、株式会社タイルファイル取締役を歴任。 2006年9月、株式会社TAGGYを創業し、現在、同社代表取締役社長
( 石上 裕 (株式会社TAGGY 代表取締役社長) )

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