WEBにおける“ゲームニクス”とは?

ネットビジネスを変える新潮流(第6回)

2008年04月01日(火)

[ 78 号]

サルでも使えるサービスへ

 最近、“ゲームニクス”という言葉をよく耳にするようになった。“WEB2.0”のように呼称を与えると、それまでのモヤモヤがスッキリと実体化することはよくあるが、この言葉もその典型かもしれない。ゲーム開発業界の中で俗人的に伝えられてきた形式知や暗黙知を「マニュアルなしで直感的にすぐ使えて、次第にハマっていく」法則として体系立てたものである。もちろん、これはゲームの世界だけではなく情報と人のインターフェイスとしてあらゆるモノ創りのシーンで、“ユーザーの渇望感や粘着度を生み出す仕組み”として活用できるものだ。ゲーム大国であるわが国特有の、今に始まったノウハウというわけでもない。広義に解釈すれば、80年代からアップル社のMacシリーズに脈々と受け継がれている思想も、iPodのクリックホイールの直感的な操作性も、この哲学に根ざしたものである。

情報の制御こそがゲームニクス?

 では、常に新たな言葉やサービスが生まれてくるWEB上で、ゲームニクスの哲学を当てはめるとどうなるか? やはりポイントは“動線と情報のコントロール”であろう。Googleをはじめとする“ミニマリズム”なインターフェイスによって、ユーザーの動線を制御し成功している例は数多い。一方、情報の制御という発想は、“ユーザーが知らなくてもいいことは教えない”という(傲慢とも捉えられがちな)考え方である。今ネット上では、前述した“呼称による実体化”と同時に“呼称による障壁”という現象もパラドックス的に起きている。たとえばRSSを例に挙げてみよう。この呼称によりフィードビジネスの啓蒙活動が一気にドライブされたのは間違いないが、同時にマスユーザーにとっては少々“敷居の高い”サービスになってしまった気がする。利用者にとってみればRSSという呼称はどうでもよく、いかに感覚的に理解できて、簡単に使えて、自分の目的が達成できるか?がすべてだ。「RSSって何?」と考えさせた時点で終わりである。つまり?マークや拒否反応が想定される小難しいワーディングはあえて隠し、そこはブラックボックスにしておくことで情報を制御する、というスタンスこそ直感的な操作性を実現する第一歩なのかもしれない。

石上  裕◆2000年より株式会社ネットエイジにてさまざまなネットビジネスをプロデュースし、株式会社ライフバランスマネジメント取締役、株式会社タイルファイル取締役を歴任。 2006年9月、株式会社TAGGYを創業し、現在、同社代表取締役社長

石上 裕◆2000年より株式会社ネットエイジにてさまざまなネットビジネスをプロデュースし、株式会社ライフバランスマネジメント取締役、株式会社タイルファイル取締役を歴任。 2006年9月、株式会社TAGGYを創業し、現在、同社代表取締役社長

( 石上 裕(株式会社TAGGY 代表取締役社長) )

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