ゆるやかに“つながること”の意味

ネットビジネスを変える新潮流(第8回)

2008年04月15日(火)

[ 80 号]

今やWEBは“つながり”全盛

 象印のみまもりほっとライン“iポット”をご存知だろうか? これは無線通信機を内蔵した電気ポットをお年寄りが使うと、ネットを通じて離れて暮らす家族のパソコンやモバイルにその利用状況が通知され、さりげなく見守ることができる、というサービスだ。2001年にこのサービスがリリースされた時にはちょっと感動した。当時からネット家電の将来展望についてはいろいろと議論されていたが、こういう“ゆるやかなつながり”こそが日本人的な“おもてなし”の精神性にマッチするのではないか? と感じていた。こんなことを考えながらネット上を見渡してみると、今や“つながりサービス”全盛である。たとえばインスタントメッセンジャーの表示メッセージを“石上@札幌出張中”と書き換えておけば、私の友人達は後日「札幌、どうだった?」となる。この機能だけをクリスプに切り出したサービスがTwitterであり、文字通り“つぶやき”によってユーザー同士をつなげている。SNSであれば、もっと“太く”つながることもできるが、単なるつぶやきから“私を見て!”まで、つながりの強弱を自分自身で使い分けられる点が面白い。その他にもソーシャルグラフやプロフサービス、ブロガー同士をつなげるサービスなど、CGM世界のあらゆるシーンで今や我々は似たもの同士で何らかの関係性を構築している。

“紛れ込む”ことの心地よさ

 これら“つながりサービス”での重要なポイントは、n対nの“紛れ込める”関係性であろう。決して1対1の“逃げ場のない”対峙ではなく、あくまでも大事なのは、やんわりとした“つながってる感”である。これはアナログ世界での人間関係にも共通する作法であり、集団帰属による安心感とも相通ずるものだ。いつでもコミュニケーションの輪に参加できる一方、いつでも傍観者に退ける、という絶妙な立ち位置とバランス感覚による距離感。これは言い換えれば“相手の状況を慮る”といった思いやりに根ざした“大人なコミュニケーション”と言えるのかもしれない。

石上  裕◆2000年より株式会社ネットエイジにてさまざまなネットビジネスをプロデュースし、株式会社ライフバランスマネジメント取締役、株式会社タイルファイル取締役を歴任。 2006年9月、株式会社TAGGYを創業し、現在、同社代表取締役社長

石上 裕◆2000年より株式会社ネットエイジにてさまざまなネットビジネスをプロデュースし、株式会社ライフバランスマネジメント取締役、株式会社タイルファイル取締役を歴任。 2006年9月、株式会社TAGGYを創業し、現在、同社代表取締役社長

( 石上 裕(株式会社TAGGY 代表取締役社長) )

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