FON NIGHT ’08開催

2008年04月01日(火)

[ 78 号]

 Wi-Fi環境をユーザー間でシェアするコミュニティ、FON(フォン)が昨年12月で日本創立一周年を迎え、3月19日にフォネラ(フォンを展開するユーザー)を招いたパーティ「FON NIGHT ’08」を開催。その活動内容を報告し、提携各社によるプレゼンなども行った。

 挨拶にはフォン株式会社CEO、マーティン・バーサフスキー氏が立った。日本の現在のユーザー数は6万強で世界では5番目。しかしアクセスポイント数(AP数)では3万5000と、世界一となったことを報告。しかも企業主体ではなく、ユーザーの作ったネットワークとして世界一だと誇らしく宣言した。日本のユーザーは「共有したい」という意識が強く、公開されているAPは多いが利用率は決して高くないようで、氏はもっと外での利用を呼びかけた。

日本のコミュニティに感謝を述べたマーティン・バーサフスキー氏

日本のコミュニティに感謝を述べたマーティン・バーサフスキー氏


 このあとフォンと提携する各社によるショート・プレゼンテーションが行われた。プレゼンを行ったのは、ワイヤレスのアクセスポイントをフォンユーザーに開放したライブドア。福岡県の繁華街、天神をフォンによってワイヤレスネットワークを張り巡らせることを計画しているRuby Business Commons。フォンネットワークで繋がるSkypeフォンを開発したパナソニックコミュニケーションズほか、数社が登壇。それぞれの取り組みを紹介した。中でも興味深かったのは、九州大学で開発されている手乗りサイズのアクセスポイント、PicoMESH LunchBox。わずか900グラム、バッテリー駆動、ランチボックスサイズのアクセスポイントで、フォンと協調して無線LANアクセスポイントを広げる可能性を研究している、と九州大学准教授 古川浩氏は語った。今回会場になったイタリアン・レストランにも設置されたが、3台を使った設定は30分程度で完了したことなど、手軽さをアピールしていた。

会場には、提携企業によるハンズオンの体験コーナーも設置された

会場には、提携企業によるハンズオンの体験コーナーも設置された


 フォンは単なるソリューションではなく、ユーザーコミュニティが育っていくことに意味がある。実際には「格安の無線LANルータが手に入る」という単純な理由で購入している人が多いようだが、個人の使う無線LANを共有して世界と繋がる、そして世界の人たちと繋がるという「思想」に共感し、それを広げようとすることが大切だ。企業によるインフラではなく、個人によって張り巡らされるネットワークは世界的に受け入れられ、AP数も増加している。そこにあるのは利益優先ではなく、「より良い世界」を目指すユーザーの理想だ。さらに大きなムーブメントになっていきそうなフォンに注目したい。

参加したユーザーはメッセージを書き込んでいた

参加したユーザーはメッセージを書き込んでいた

( 矢橋司 )

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