(上)今、企業に求められているマーケティング戦略とは

【動画配信ソリューション最前線】

2008年04月15日(火)

[ 80 号]

 企業ウェブサイトのリッチ化が進展している。商品紹介やIR、人材採用に関わる会社案内など、文字や写真などの静的コンテンツでは表現し得なかった複雑な情報も動画を使うことで効果的に訴求できるからだ。本企画では企業のリッチコンテンツ化の動向を探るとともに、その「裏側」でソリューション技術を提供している企業にスポットを当て、最新技術やサービス、活用方法などを紹介する。

通信環境向上で動画が広く浸透

 ブロードバンドの普及をはじめとしたインターネットのインフラ環境整備を背景に、ストリーミングやダウンロード型コンテンツ配信が一般消費者に広く浸透。総務省の調べでは、昨年末現在のブロードバンド契約者数は2576万となっており、年々右肩上がりで伸長しているのが現状だ。

 そうしたなか、効果的なマーケティング活動を行っていくうえで、ますます重要視されているが企業ウェブコンテンツのリッチ化である。

 動画やFlashアニメーションなどによって、会社のメッセージやサービス、プロダクトなどの特長を消費者に直感的、直接的に伝えられるため、訴求力を高めることが可能となる。静的コンテンツにはない豊かな表現力で、複雑な内容も的確に短時間で伝えることができるわけだ。

人事採用に動画コンテンツを活用するケースが急増している(株式会社イークリエイトより)

人事採用に動画コンテンツを活用するケースが急増している(株式会社イークリエイトより)


 社団法人日本アドバタイザーズ協会のWeb広告研究会が、一昨年末に企業サイトの運営状況について調査したところ、Flashは95.1%で、動画は77%の企業で導入済みという結果が出ている。同調査は2006年末に実施されているため、現在では企業サイトでのコンテンツリッチ化は、一段と進んだと見ていいだろう。

広報や採用など活用シーン拡大

 では、企業はどのようなシーンでリッチコンテンツを活用しているのだろうか。

 第一は会社PRやIR活動における活用だ。企業の広報活動やブランディングの一環として、自社のウェブコンテンツをリッチ化し、情報発信力を強化するものである。

 経営者層が動画で消費者や取引先に直接語りかけ、自社PRや情報開示に努めたり、工場の内部を見せて技術や品質の高さをアピールすることもある。自社が主催するセミナーや講演会などを配信するケースも多い。

 IRでは、株主総会や投資説明会の模様を中継したり、動画やプレゼンテーション資料が1年中いつでも見られるようにするなど、既に多くの企業が実践している。

 特に近年は動画に加え、パワーポイント画像や資料を連動表示する技術の導入も目立ってきた。株主や消費者に対し、理解しやすい動画コンテンツを配信することで、企業イメージの向上につながり他社と差別化を図ることもできるわけだ。

動画とパワーポイントなどが連動するソリューションはIRにも効果を発揮(「Ci-Streaming」)

動画とパワーポイントなどが連動するソリューションはIRにも効果を発揮(「Ci-Streaming」)


 リクルート活動現場でのリッチコンテンツ活用も積極化している。採用担当者や現場社員が採用のポイントや仕事内容などを直接語りかけることで、求職者に対し企業への理解を深めてもらいたいとの意図がある。求職者側にとっても、動画を見ることで会社の業務内容が理解しやすい。担当者の説明や会社の業務風景映像などを通じて、求職者が就業後のイメージがつかみやすくなる。そのため、企業と求職者のマッチング度の向上にも有効といえる。

 もう一点が自社商品の販売促進やプロモーション活動における活用である。テレビCMと連動したり、ウェブだけのオリジナル動画コンテンツを配信する企業もある。商品ブランドの認知度向上のため、有名芸能人が商品説明を行ったり、企業キャラクターが前面に登場するものもある。クイズやゲーム形式で消費者が楽しめる動的コンテンツを用意したりと、その手法はさまざまだ。ユニクロのブログパーツ「UNIQLOCK」のように、CGMを活用するケースも見られる。

 消費者に楽しんでもらえたり、インパクトのあるリッチコンテンツを置くことは、サイト滞在の時間が増え、企業の認知度向上や販売促進につながる。結果としてマーケティング力の強化が図れるわけだ。

動画ビジネスの参入支援も豊富

 3点目は、リッチコンテンツ自体を商用化するケースである。この4月から、フジテレビがオンデマンド有料動画配信サービスを本格化させるなど、テレビ局などのメディア関連企業によるインターネット動画配信ビジネスへの参入が一段と加速。また、アーティストの音楽動画や各種スクールによる語学やカルチャー学習動画などを有料配信するビジネスモデルも見受けられる。

 こうした動画ビジネスを支援するソリューションやサービスも豊富に揃ってきており、参入への障壁が取り除かれてきた結果ともいえよう。

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