~日本オラクル、マイクロソフト、サンなど

相次ぐ大手外資系IT企業の社長交代

2008年05月13日(火)

[ 82 号]

 この春、大手外資系IT企業の日本法人で社長交代の発表が相次いだ。具体的には、日本オラクル、マイクロソフト、サン・マイクロシステムズの3社である。他にも、日本ベリサイン、シマンテックなどの社長が代わっている。

日本法人社長の位置づけの傾向

 日本オラクルは、6月1日付で元IBMの遠藤隆雄氏が社長に就任する。現社長の新宅正明氏は代表権を持つ会長として新体制を支えていくという。この新宅正明氏は日本オラクルの社長を7年以上務めてきた。外資系IT業界では異例の長さであった。

6月1日付で日本オラクルの社長に就任する遠藤隆雄氏

6月1日付で日本オラクルの社長に就任する遠藤隆雄氏


 サン・マイクロシステムズでは、4月16日付で、末次朝彦氏から、アジアパシフィック業務執行責任者兼アジアサウス法人社長のライオネル・リム氏が兼務する形で就任した。過去の外資系IT企業の社長人事から考えて、外国人社長が兼務という場合は、日本人社長をリクルーティングしている最中という場合が多い。サンの場合も、その可能性が十分あるだろう。前任の末次氏は元IBMである。

サン・マイクロシステムズの社長に就いたライオネル・リム氏

サン・マイクロシステムズの社長に就いたライオネル・リム氏


 マイクロソフトの場合、準備は着々と進められていた印象を受ける。約1年前に樋口氏が入社し、COOに就任した当初から、2005年7月から社長を務めていたダレン・ヒューストン氏退任の噂は出ていた。また、時期社長候補と思われていた元IBMの平井康文氏は今年1月31日付で退任した。そして樋口氏の社長就任が発表され、4月30日には樋口社長の就任パーティが大物政治家や大手社長などのメンバーで、都内ホテルで開催されたという。

 樋口社長はマイクロソフトにとって、久しぶりの日本人社長である。ダレン・ヒューストン氏の前任は、2003年7月に就任したマイケル・ローディング氏であり、その前任が阿多親市氏。つまり、約5年ぶりの日本人社長ということである。今回、樋口氏の過去の経歴を見ても、日本でのビジネス経験が豊富で、なおかつB2BよりB2Cの経験豊富な社長を選んだことからも、今、マイクロソフトが進もうとしている方向性がほの見える気がする。

 外資系の場合、日本法人社長の位置づけは、「社長」というよりも、「日本」という地域の営業部長と位置づけるケースが多い。その場合、いかにして英語で本社に報告できるか、米国でのやり方をうまく日本で広められるか、ということを強く求める場合がある。米国式のやり方がうまくはまればそれで良いが、製品の特性によっては、日本の独自路線を出していかないとビジネスがおかしな方向にいってしまうケースもある(日本市場から撤退することになった外資系企業を思い浮かべるとイメージが湧きやすいだろう)。

 日本法人社長就任のパターンとしては、(1)90年代からよく見られた、元IBMなど著名外資系大手幹部の就任というケースに加えて、(2)大手企業やコンサルティングファームで経営についてのノウハウ・実績のある、英語を母国語とする若手外国人社長が就任するケース、更には(3)正式な日本法人社長はリクルーティング中で、アジア地区責任者が兼務、という3パターンが多い。今回の場合、オラクルとマイクロソフトは(1)、サンは(3)であると見られる。すでに国内で確固たる地位を確立している大手3社が、今後どのような方向性を打ち出していくのかが注目される。
( ビーコミ 加藤恭子 )


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