知的財産推進計画2007 要項発表

2007年06月26日(火)

[ 42 号]

 知的財産戦略本部は5月31日、「知的財産推進計画(以下知財計画)2007」を正式決定し、ホームページにてPDFで公開した。

 知的財産戦略本部とは、「政府が一体となって知的財産戦略を進めていく上で、関係府省と総合調整を図りながら施策の推進を図っていく中心的役割を果たすもの(ホームページより引用)」とされており、2003年に設置されて以来、様々な案件に対して検討を行ってきた。「コンテンツ大国」を目指す日本としては避けて通れない、著作権の保護などを検討するための機関である。知財計画は2004年から公開されており、今年で四回目となる。
企業、権利者、ユーザー、各者の意見
 今年公開された知財計画2007では、重点項目として「知的財産の創造・保護・活用」「コンテンツを活かした文化創造国家作り」などが並ぶ。その内容として海賊版、違法複製取り締まりの強化、デジタルコンテンツ流通の促進などが盛り込まれている。

 ここ数年検討課題となっている私的録音録画補償金制度に関しては、年度内に見直しや廃止も含めて抜本的な検討を行い、結論を得るとしている。他にも、これまでは私的複製の範囲としていた、P2Pなどで流通する違法複製ファイルのダウンロードそのものを違法とする法案の検討なども掲げられている。

 これらの内容に関して企業、権利者、ユーザーはどのように考えているのだろうか。その意見は毎年一般から応募されるパブリックコメントから窺うことができる。

 2006年のパブリックコメントで企業としてもっとも声を荒げたのは、iPod税=私的録音補償金制度に反対するアップルだ。そのコメント内で、私的録音補償金は科学的根拠のない不合理なものとして批判。さらには文化庁に著作権行政の能力なしとまで断定している。一部ではコメントそのものがニセモノだとの声もあるが、この意見には多くのユーザー層が賛同しており、ネット上で大きな話題となった。

 これに対して権利者の立場を主張するのはやはりジャスラックなどの音楽権利団体。彼らは声を揃えて著作物の保護期間の延長、私的録音補償金制度の変更など権利の拡大を唱えている。

 一般ユーザーの声は非常に辛辣だ。多くは音楽権利団体の主張に真っ向から対立するものとなっており、著作権料分配の不透明さなどを指摘する声も多い。

 他にも著作権法違反の非親告罪化を憂う声や、フェアユースの導入を提案するものもある。しかしフェアユースなどは今年の計画には一言も盛り込まれていない。パブリックコメントが、ただ単に一般の意見を募集したという「アリバイ」に使われている感も否めない。

 我々ユーザーは著作権に対して正しい理解を持ち、権利者の利益を守ることも考えなければならない。しかし権利者の言い分を鵜呑みにし、その拡大だけに走るようなことを許してもいけない。この知財計画にもっと興味を持ち、必要なときには声を上げていくことも必要だ。知財計画が一般の意見を反映した正しい礎となり、その上で次代の法整備が行われることが望まれる。

(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/)
計画の詳しい内容やパブリックコメントはこちらからダウンロードできる。
( 矢橋司 )

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