《米セールスフォース ベニオフCEOが来日》 クラウドコンピューティング普及へ、鍵は「PaaS」と「Web3.0」

2008年07月15日(火)

[ 91 号]

 株式会社セールスフォース・ドットコム(東京・港、宇陀英次代表取締役社長)は、今月3日、米国本社会長兼CEOのマーク・ベニオフ氏ほか幹部が来日し、日本では初となるカンファレンス「Tour de Force Tokyo ~世界初のオンデマンド・プラットフォームForce.comを知る、開発者のための祭典」を東京・目黒雅徐園で開催した。基調講演でベニオフ氏は「1999年の会社設立以来10年間は、アプリケーション(CRM)に注力しSaaSを推進してきたが、今後10年間はプラットフォームにフォーカスし、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)をソフトウエア・ベンターや企業のIT部門に提供し、クラウド・コンピューティングの普及を目指す。新しいネット環境であるWeb3.0構築の先頭に立ってソフト業界を改革して行く」との決意を語った。

マーク・ベニオフ会長兼CEO(左)。右は株式会社テラスカイの佐藤秀哉代表取締役社長

マーク・ベニオフ会長兼CEO(左)。右は株式会社テラスカイの佐藤秀哉代表取締役社長


 当日は、セールスフォース・ドットコムの「Force.com」について講演が行われたほか、グーグル、NEC、日立ソフト、アドビなど12社が参加した展示会も併設。約1000名が来場した。

 米・セールスフォース・ドットコムはオラクルの営業担当幹部だったベニオフ氏が1999年に創業し、5年目の2004年にNYSEに上場。時価総額は55億ドル、社員数約3000人、売上は10億ドル目前だ。SaaSによるCRMは全世界で4万3600社が導入している。

 ベニオフCEOはその理由を「複数のユーザが共同使用するマルチテナント・モデルと、従量制課金制度というソフト業界の革新が顧客に圧倒的な支持を得ているからだ」と語った。同社のSaaSによるCRMは、日本でもすでに、日本郵政グループなど大手企業でも導入されている。

 PaaS(Platform-as-a-Service)による「Force.com」の提供は2007年から始まり、これまでビジュアルBASIC、.NET、Javaなどを使用して開発されてきたクライアント・サーバ型や、アプリケーションサーバ型のデータベースによるアプリケーション開発を代替するものとして注目されている。

 また同日、次の5つのアプリケーションの発表が行われた。

 (1)グーグルのAppsとForce.comを統合する開発者向けツール(2)株式会社ウフル(東京・渋谷、園田崇代表取締役)がForce.com上で開発したSaaS型のIR業務管理用ソフト(3)株式会社ジラッファ(東京・国分寺、成戸朗代表取締役)のプロジェクト管理の可視化ツール(4)株式会社テラスカイ(東京・台東、佐藤秀哉代表取締役社長)の画像管理アプリケーション(5)株式会社マッシュマトリックス(東京・渋谷、冨田慎一代表取締役社長兼CEO)のWebブラウザ上でマッシュアップ・アプリケーションを作成できるサービス。

※クラウド・コンピューティング=以前は「グリッド・コンピューティング」と同義で使われることがあったが、現在ではインターネット上にあるコンピュータ・リソースを活用して、情報やアプリケーションサービスを提供するという概念。インターネットという雲(クラウド)のどこかにあるハード、ソフト、データをユーザがその存在や構造などを意識することなく利用できる環境を指す。米国では、グーグルのCEOエリック・シュミット氏が使い出し、2006年ごろから注目のキーワードになっている。
( 丸山隆平 )


記事についてのご意見・ご感想

関連記事

東京IT新聞 特集ラインナップ

専用サーバ・専用レンタルサーバーは at+link におまかせ!

Apple Store(Japan)

東京IT新聞HOTキーワード
東京ITイベント情報

イベントカレンダーを見る カレンダーを見る