次世代PHSで新事業展開へ、ウィルコムが産学官民の研究会を設立

2008年08月05日(火)

[ 94 号]

 株式会社ウィルコム(東京・港、喜久川政樹代表取締役社長)は次世代PHS「WILLCOM CORE」(ウィルコムコア)のデータ通信インフラを活用し、自治体や企業と新しい事業を検討する「BWA(高速無線アクセス)ユビキタスネットワーク研究会」を設立。先月28日、30社が参加して開かれた第1回総会後、東京・丸の内の東京會舘で記者会見を行った。

喜久川社長(左)と研究会会長に就任した京都大の美濃導彦氏

喜久川社長(左)と研究会会長に就任した京都大の美濃導彦氏


 喜久川社長は席上、2009年春をメドにしたWILLCOM COREサービス開始にともない現有の全国16万カ所の基地局の一部に定点カメラやセンサー、アンテナなどを併設したネットワークを構築。交通・気象情報の提供や、地域の防犯・防災分野などで新事業を進めて行くことを発表。「ウィルコムコアのサービス開始にともなう基地局工事は低コストで新しい情報ネットワークを構築できる10年に1度か、20年に1度の千載一遇のチャンスだ。カメラ・センサーネットワークが実現すれば、世界でも例を見ない大容量コンテンツを取り扱える高速ネットワーク・インフラが誕生する。ただ、プライバシーやセキュリティーの問題など課題もあり、産学官民共同でルールづくりを進めていきたい」と語った。

 ウィルコムのPHS基地局(マイクロセル基地局)は、同一エリアを複数の基地局がカバーしているため、特定の基地局が故障した場合も他の基地局がカバーできる。また、災害などで通信量が増加した場合でも、輻輳リスクが軽減されるため、故障や災害に強いことが特徴だ。実際に最近の岩手・宮城内陸地震や、中国四川大地震でも通信手段としてPHSは強みを発揮したという。

 研究会の第1回総会には会長に就任した京都大学学術情報メディアセンター長の美濃導彦氏をはじめ、理事として京セラ、シャープ、NTTコミュニケーションズ、日本無線の担当者らが参加した。

 今後研究会は、事業化を含めた将来的な幅広い展開に向けてコンソーシアムなどへの発展を目指すとしている。
( 丸山隆平 )


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