企業におけるグリーンITの動きが加速している。これまでグリーンITとは、主にデータセンターにおける省電力化技術とその取り組みのことを意味していた。そのためどちらかと言えばメーカーや特定の企業が主導する、ごく限られた取り組みだったとも言える。しかしここに来て、様々な企業が独自にグリーンITの取り組みを始めている。今やグリーンITとは、単にIT分野におけるグリーン化(環境負荷の低減)だけでなく、ITを利用したグリーン化へとその広がりを見せていると言えるだろう。本特集では3回にわたり、企業のグリーン化への取り組みを特集する。
グリーン電力 導入が加速
グリーンITの背景として、IT関連分野における消費電力の増大という問題がある。
今年2月に中央環境審議会がまとめた報告書によれば、国内の各部門ごとのCO2排出量を1990年と2005年とで比較すると、一番伸び率が大きいのは商業・サービス・事務所業務部門で、実に41.7%も増加している。また、経済産業省主催の研究会の調査では、IT機器の電力消費量が2025年までに5.2倍に達するだろうと予測されている。
これらの伸びを抑えて、いかにCO2削減を達成するかがグリーンITにおける大きな課題であることは間違いない。
大手メーカーでは富士通や日立、NECなどが数値目標を設定してCO2削減を行うことを発表しているが、メーカー以外でも取り組みは始まっている。ミクシィは4月に全サーバ電力量の205万kWを水力、風力などのグリーン電力でまかなうことを表明している。これは日本自然エネルギーから「グリーン電力証書」を購入するというシステムで成り立っており、他にもソニー、ナビタイムなどの企業がグリーン電力導入を決めている。
ユーザー参加型のグリーンITとしてはグーグルの「One Green プロジェクト」が面白い。ユーザーがウェブ上でCO2削減のアイデアやアクションを共有・実行するというものだ。8月末の時点で約2000人が参加している。これと似た取り組みとしては、以前本紙でも紹介したNHKの「CO2削減チェッカー」 (https://cgi2.nhk.or.jp/co2/index.cgi) が挙げられる。
CO2排出権を購入する動きも
また、グリーンITにカーボンオフセットを取り入れる動きもある。カーボンオフセットとは、海外からCO2の排出権を購入し、その分のCO2を削減したとみなすもの。Yahoo! Japanでは「Yahoo! カーボンオフセット」という、グーグルと同様のユーザー参加型のウェブを開設し、こちらは200トン以上のCO2削減を達成している。「お金を支払った分だけ削減できる」という明快さはカーボンオフセットならではと言える。

「Yahoo! カーボンオフセット」。Yahoo! Japanが今年7月から始めたカーボンオフセットプロジェクト。ウェブ訪問者は気に入ったプロジェクトを選んでオフセット金額を支払う。8月末時点で約3千人が参加し、224トンのCO2を削減している http://carbonoffset.yahoo.co.jp/
ただしカーボンオフセットについては「オフセット先でCO2が削減できたか見えづらい」「金融商品として金儲けに利用される」などの指摘もある。情報公開と、本来の目的に適った運用が重要だ。
グリーンITの流れに乗って企業体質をエコ化出来るかが問われている。
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斉藤円華
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