ゲームソフト中堅のテクモとコーエーが経営統合する方向で協議に入った。4日、両社社長が記者会見して発表した。テクモに対して友好的な株式公開買い付け(TOB)を提案していたゲームソフト大手のスクウェア・エニックス(以下、スク・エニ)は翌5日、TOB提案を撤回したが、交渉継続への意欲を隠していない。敵対的TOBに発展するなど予断を許さない状況が続きそうだ。
テクモとコーエーは、共同で持ち株会社を設立する方式での経営統合を検討している模様で、近く、経営統合に向けて、「経営統合委員会」(仮称)を設置する予定だ。
コーエーは「信長の野望」や「三國志」、「真・三國無双」などの人気シリーズを持つ。タクティカル・アクションゲームやオンラインゲームなどで優位性があり、海外ではアジア市場に強いという。一方、テクモは、「DEAD OR ALIVE」、「NINJA GAIDEN」などの格闘アクション系のシリーズが欧米中心に人気だという。こうしたことから両社は、相互に補完し、相乗効果が期待できる関係だと説明する。
ただ、このまま、テクモとコーエーの経営統合という形で事態が収拾するかどうかは不透明だ。5日の株価は、売買が始まる前に、スク・エニがTOB撤回を発表したことを受け、大幅反落し、前日比68円安の869円となった。前日には、スク・エニが提示していたTOB価格(920円)を上回っており、株式市場の投資家はスク・エニによるテクモTOBに比べ、コーエーとの統合を低く評価しているとも受け取れる。
開発力を評価されるテクモだが、問題も抱えている。近年、有名クリエーターが退職し、9月1日には前社長が「一身上の都合」を理由に突然、退任するなど混乱が続いている。ゲームソフトの開発に不可欠な資金力という観点では、テクモの財務体質は見劣りする。
テクモの2007年12月期末の現金同等物(現金や預金など)は32億円とどまり、それに対して、スク・エニは2008年3月期末で1114億円に達する。スク・エニの資金力が加われば、テクモの開発力をより引き出せるとの考えだ。ちなみに、コーエーは50億円(2008年3月期末)で、テクモ・コーエー連合は両社合計でもスク・エニの10分の1に満たない。
株式の時価総額で見ると、テクモが210億円、コーエーが1022億円に対して、スク・エニは両社合計の3倍以上の4077億円(9月5日現在)。株式交換も駆使すれば、「スク・エニがテクモとコーエーをまとめて買収することもあながち不可能ではない」(証券系アナリスト)との指摘もある。
スクウェアとエニックスが合併した2003年以降、ゲーム業界の再編劇は続いている。翌2004年にはセガとサミーが経営統合。2005年にはナムコが玩具大手バンダイと経営統合した。スク・エニは2005年9月、アミューズメント施設運営のタイトーを買収している。ゲーム機の高性能化や携帯型ゲーム機の急速な普及、モバイルを含めたオンラインゲーム市場の急成長など経営環境は激変している。業界の壁も越えてM&Aがいっそう激しくなりそうだ。

コーエーとの経営統合に向け協議に入ったテクモ (画像はテクモのウェブサイト http://www.tecmo.co.jp/)
テクモとコーエーは、共同で持ち株会社を設立する方式での経営統合を検討している模様で、近く、経営統合に向けて、「経営統合委員会」(仮称)を設置する予定だ。
コーエーは「信長の野望」や「三國志」、「真・三國無双」などの人気シリーズを持つ。タクティカル・アクションゲームやオンラインゲームなどで優位性があり、海外ではアジア市場に強いという。一方、テクモは、「DEAD OR ALIVE」、「NINJA GAIDEN」などの格闘アクション系のシリーズが欧米中心に人気だという。こうしたことから両社は、相互に補完し、相乗効果が期待できる関係だと説明する。
ただ、このまま、テクモとコーエーの経営統合という形で事態が収拾するかどうかは不透明だ。5日の株価は、売買が始まる前に、スク・エニがTOB撤回を発表したことを受け、大幅反落し、前日比68円安の869円となった。前日には、スク・エニが提示していたTOB価格(920円)を上回っており、株式市場の投資家はスク・エニによるテクモTOBに比べ、コーエーとの統合を低く評価しているとも受け取れる。
開発力を評価されるテクモだが、問題も抱えている。近年、有名クリエーターが退職し、9月1日には前社長が「一身上の都合」を理由に突然、退任するなど混乱が続いている。ゲームソフトの開発に不可欠な資金力という観点では、テクモの財務体質は見劣りする。
テクモの2007年12月期末の現金同等物(現金や預金など)は32億円とどまり、それに対して、スク・エニは2008年3月期末で1114億円に達する。スク・エニの資金力が加われば、テクモの開発力をより引き出せるとの考えだ。ちなみに、コーエーは50億円(2008年3月期末)で、テクモ・コーエー連合は両社合計でもスク・エニの10分の1に満たない。
株式の時価総額で見ると、テクモが210億円、コーエーが1022億円に対して、スク・エニは両社合計の3倍以上の4077億円(9月5日現在)。株式交換も駆使すれば、「スク・エニがテクモとコーエーをまとめて買収することもあながち不可能ではない」(証券系アナリスト)との指摘もある。
スクウェアとエニックスが合併した2003年以降、ゲーム業界の再編劇は続いている。翌2004年にはセガとサミーが経営統合。2005年にはナムコが玩具大手バンダイと経営統合した。スク・エニは2005年9月、アミューズメント施設運営のタイトーを買収している。ゲーム機の高性能化や携帯型ゲーム機の急速な普及、モバイルを含めたオンラインゲーム市場の急成長など経営環境は激変している。業界の壁も越えてM&Aがいっそう激しくなりそうだ。
(
麻田桂
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