総務省とテレコム/インターネット関連13団体が5日、三菱総合研究所セミナー室において「IPv4アドレス枯渇対策タスクフォース」の発足式を開催し、同タスクフォースが正式にスタートした。これは、インターネット上で現在使用されているIPアドレス「IPv4」が今年現在残り在庫が15%を切り、2011年までに枯渇するのは確実との予測を受けて、国および関係企業が協力して対策を推進するものだ。百人近くが参加した。

会場にはマスコミと合わせて百名近くが詰め掛けた
冒頭、総務省総合通信技術基盤局長の桜井俊氏、IPv6普及・高度化推進協議会長で慶応大学教授の村井純氏が相次いで挨拶し、桜井氏は「IPv6への移行はユビキタス社会に不可欠」、村井氏は「インターネット先進国として、世界に貢献できるしっかりとしたIPv6基盤をつくることが大切」と、それぞれIPv6導入・普及の重要性を訴えた。
インターネットの基盤技術であるIPアドレス。IPv4は32ビットのアドレスで構成され、理論上使用が可能なアドレス数は2の32乗=約43億個だ。インターネット誕生当初からアドレス枯渇は潜在的な問題だったが、近年のアジアでの爆発的な需要拡大などで一気に顕在化した。
枯渇すると、既に割り振られているアドレスに支障はないが、ISPやデータセンタ、ホスティングなどの各事業者に新規にアドレスを割り当てることが不可能となり、新しいサービスが提供できなくなる恐れがある。

JPNIC・IP事業部長の前村昌紀氏はIPアドレス在庫枯渇状況について説明
枯渇対策をビジネスチャンスに
一方、IPv6は128ビットのアドレスで構成され、その数は2の128乗=340兆の1兆倍の1兆倍という、実質的に無限とみなせるアドレスが使えることになる。「道端に転がった石ころにまでアドレスを振れる」とさえ言われている。各種家電やウェブカメラ、種々のユビキタス端末に固有のグローバルアドレスを割り当てることが可能とされ、先の北京オリンピックでは国家スタジアム「鳥の巣」がある公園の照明を、IPv6使用の千個のコントローラで制御した。
IPv6普及・高度化推進協議会専務理事で東京大学教授の江崎浩氏は「一般企業と消費者に迷惑がかからないように、関係事業者が責任を果たす」と決意を示しつつ、「遊休アドレスの使い回しなどが困難な状況の中で、タイムリミットまでに残された時間は少ない。IPv4アドレス枯渇の問題を経営リスクとして認識、対応できないインターネット関連事業者をわれわれはフォローできない」と、業界に危機感を持つことを促した。

発足式の様子。IPv6普及・高度化推進協議会長の村井純氏(手前列右)と同専務理事の江崎浩氏(同左)
その一方で江崎氏は「北京オリンピックでの成功例は、IPv6の活用事例として業界にとっても励みになる。日本は中国と違い、既存のシステムをいかにIPv6に切換えるかという点で過去に例のない初の挑戦となるが、それは裏を返せば大きなビジネスチャンスでもある。このことをぜひ理解して、われわれと共にこの問題に向き合い、克服してほしい」と訴え、協力を呼びかけた。
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斉藤円華
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