昨年12月18日に開催された私的録音録画小委員会 において、「違法ファイルのダウンロードは著作権30条で認められた『私的使用』の適用対象外とする」という方向性がまとまった。同委員会が募集したパブリックコメント9000通弱のうち、8割以上の反対意見を無視する形でのこの結論は、インターネット上でも大きな反感を呼び、12月26日にはMIAU(=インターネット先進ユーザーの会)による緊急シンポジウムも開催された。
委員会の席上では、過去に例のない数のパブリックコメントが寄せられ、反対意見が多いことにも言及されたが、それを踏まえた上でも「違法コピーの複製は30条の適用除外とするのは不可避」と語られている。しかも今回まとめられた内容は中間整理で提出された内容と変わらず、パブコメが一般の意見を募集したというポーズにしか使われていないとも言える。
ユーザー保護の施策として適法サイトにマークを付けることや、ストリーミングはこれに含まないことなどが提案されている。法的にも刑事罰がなく、違法ダウンロードしたかどうかの立証責任が権利者側にあるため、これを使って訴訟を起こすなどは考えにくいとしている。
この結論を受けて、MIAUの緊急シンポジウムには、経済学的見地から上武大学教授の池田信夫氏、著作権関連に詳しい弁護士の小倉秀夫氏、技術的側面から慶應大学講師の斉藤賢爾氏らが参加し、その問題点を話し合った。
最初のパネルは小倉氏。現行法に則ってアップロードだけを取り締まれば良いにも関わらず、ほとんど行われていないことを紹介し、ダウンロード違法化が、プライバシー侵害や果ては情報統制に繋がる可能性も指摘した。
「今回の議論には消費者の便益というものが検討されておらず、権利者の損失ばかりが強調されている」とするのは池田氏。ファイル交換ソフトによる経済的損失も実証されておらず、消費者の便益を考えれば経済効果はプラスなはずだと言う。
「情報はコピーされることによって価値を生む」と言う斉藤氏は、ダウンロードとストリーミングを区別すること自体がナンセンスとしている。ユーチューブなどでストリーミング視聴したものは、実際にはすでにダウンロードされており、簡単に取り出すことが可能なのだ。この点からもストリーミングもいずれ規制の対象となる可能性は十分にある。
パネルディスカッションでは、文化庁の示した「DRMによるコントロールができれば私的録音録画補償金は不要」という未来像を検討したが、斉藤氏が「すべてのDRMは解除できる」として一蹴した。池田氏は「文化庁は他の省庁と連携せず暴走している」と語り、その政策そのものを問題視していた。
「違法ファイルのダウンロードが違法」であることは当たり前と考える人もいるかもしれない。しかし刑事罰はなくても、「違法」と決めてしまうことで民事訴訟は起こり得る。結果として会社でのウェブの閲覧が一切禁止されてしまう可能性も否定できないし、それはネット産業そのものが萎縮してしまうことにも繋がりかねない。
お互いの利益になるような解決策が必要だ。現行著作権法がインターネットに対応できないことが明らかであるなら、思い切った抜本的な改革を行い、次代のための法整備をすべきではないだろうか。

MIAUシンポジウムには年末にも関わらずたくさんの傍聴者が集まり、関心の高さを示していた
委員会の席上では、過去に例のない数のパブリックコメントが寄せられ、反対意見が多いことにも言及されたが、それを踏まえた上でも「違法コピーの複製は30条の適用除外とするのは不可避」と語られている。しかも今回まとめられた内容は中間整理で提出された内容と変わらず、パブコメが一般の意見を募集したというポーズにしか使われていないとも言える。
ユーザー保護の施策として適法サイトにマークを付けることや、ストリーミングはこれに含まないことなどが提案されている。法的にも刑事罰がなく、違法ダウンロードしたかどうかの立証責任が権利者側にあるため、これを使って訴訟を起こすなどは考えにくいとしている。
この結論を受けて、MIAUの緊急シンポジウムには、経済学的見地から上武大学教授の池田信夫氏、著作権関連に詳しい弁護士の小倉秀夫氏、技術的側面から慶應大学講師の斉藤賢爾氏らが参加し、その問題点を話し合った。
最初のパネルは小倉氏。現行法に則ってアップロードだけを取り締まれば良いにも関わらず、ほとんど行われていないことを紹介し、ダウンロード違法化が、プライバシー侵害や果ては情報統制に繋がる可能性も指摘した。
「今回の議論には消費者の便益というものが検討されておらず、権利者の損失ばかりが強調されている」とするのは池田氏。ファイル交換ソフトによる経済的損失も実証されておらず、消費者の便益を考えれば経済効果はプラスなはずだと言う。
「情報はコピーされることによって価値を生む」と言う斉藤氏は、ダウンロードとストリーミングを区別すること自体がナンセンスとしている。ユーチューブなどでストリーミング視聴したものは、実際にはすでにダウンロードされており、簡単に取り出すことが可能なのだ。この点からもストリーミングもいずれ規制の対象となる可能性は十分にある。
パネルディスカッションでは、文化庁の示した「DRMによるコントロールができれば私的録音録画補償金は不要」という未来像を検討したが、斉藤氏が「すべてのDRMは解除できる」として一蹴した。池田氏は「文化庁は他の省庁と連携せず暴走している」と語り、その政策そのものを問題視していた。
「違法ファイルのダウンロードが違法」であることは当たり前と考える人もいるかもしれない。しかし刑事罰はなくても、「違法」と決めてしまうことで民事訴訟は起こり得る。結果として会社でのウェブの閲覧が一切禁止されてしまう可能性も否定できないし、それはネット産業そのものが萎縮してしまうことにも繋がりかねない。
お互いの利益になるような解決策が必要だ。現行著作権法がインターネットに対応できないことが明らかであるなら、思い切った抜本的な改革を行い、次代のための法整備をすべきではないだろうか。
(
矢橋司
)
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『 ダウンロード違法化へ? 』に対する






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