ポリコムの超ハイエンド会議システム

2008年01月16日(水)

[ 67 号]

 「テレプレゼンス」をご存じだろうか。カテゴリーではビデオ会議システムに入るが、超ハイエンドのスペックを誇り、リアリティは一般のものと比にならない。国内となるとシスコ社やHP社あたりが知られたところか。ただ、既存のものはスクリーンがプラズマであることが多く、カメラ位置がそれより高くなってしまうため、リアルな対話と差異を感じさせるなど、少なからず改良点を抱えている。

 ポリコム社の「Polycom RPX HD」シリーズの凄さは、先述の視野の問題をクリアしていることだけでも理解できる。つまり、人間にとって自然とされる視野角は、左右200度、上50度、下75度。これをスクリーン(プロジェクターにリアプロを採用)内にカメラを埋め込むことで実現しているのである。また、高い汎用性も特筆ポイント。他社製品が、自社システム同士をつなぐのに対し、こちらは国際標準規格に準拠し、既存の標準規格準拠のビデオ会議システムからでも参加できる。そのため、コスト面を含め、拠点を増やすことなどが容易になる。

ポリコムジャパンは昨年東京にデモルームを開設。今回、4枚のスクリーンを統合、最大8人が参加できる「408M」を使用し、シンガポール、ニューヨーク、日本ほか、計6拠点中継も体験できた ※詳しくは  http://www.polycom.co.jp/

ポリコムジャパンは昨年東京にデモルームを開設。今回、4枚のスクリーンを統合、最大8人が参加できる「408M」を使用し、シンガポール、ニューヨーク、日本ほか、計6拠点中継も体験できた ※詳しくは http://www.polycom.co.jp/


 「遠隔地と喋っている感覚を忘れさせ、機械の使用感を消したところがこの製品の特徴であり、他社との違いでもある。室内の音響設備も、相手が右から左へ歩きながら喋った場合、まさにそのように聞こえるよう工夫されている。また、役員レベルの会議が主要ニーズになっているため、機械の煩雑な操作も一切排除した。あらかじめセッティングしておけば、リアルに限りなく近い会議を実現する」(同社マーケティング部・青木氏)

 もちろん、このリアリティを感じられる場はビジネス会議だけではない。例えば、米国では外科手術の実況中継などにも使われている。フジテレビ系ドラマ「医龍」で、バチスタ手術を学会でリアルタイムに放映するシーンがあったが、あれを想像してもらえば分かりやすい。このほか米国では、デュークユニバーシティが導入に踏み切った事例もあり、距離の離れた学術機関同士を結ぶツールとしても考えられる。「弊社の事例ではないが、法政大学では米国と結んで、NBAの授業の体験学習を行っている。実際『Polycom RPX HD』に関しても、国内大学から問い合わせがあり、今後、会議以外で導入が考えられるのは学術・教育の分野だろう。このほかでは、通常のビデオシステムと組み合わせることで、実際の作業現場を会議の場で実地検分するといったことも可能になる」

タッチパネルでは通話や音量を操作。ヘルプデスクの呼び出しも可能だ

タッチパネルでは通話や音量を操作。ヘルプデスクの呼び出しも可能だ


 最小ユニットは3000万円台からとなっており、利用しているのは世界的大手の自動車メーカーやIT企業など。そのため、一般的な企業が導入することによって交通費が削減されるといったメリットは考えづらい。それでも、米国で有能な企業コンサルタントがこのシステムを購入、クライアント企業と共用するといった事例があるという。「このシステム導入のもうひとつのメリットは人が時間にとらわれないこと。つまり、出張中で欠席のはずの役員も大会議に参加することが可能になる。また、最高で1会議室28人を収容するため、リアル会議では参加することのなかった役職が下の者も、大会議に顔を出せるといった点もポイントだろう」

 裾野を大きく広げるツールではないが、用途の幅広さ、汎用性の高さから、思わぬ大舞台で同社の製品が使用されるシーンを目の当たりにする機会は増えていくことだろう。
( 板垣威史 )

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