さる2月20日、電通が「2007年(平成19年)日本の広告費」を発表した。総広告費と媒体別・業種別広告費を推定している。
これによれば、2007年度の日本の総広告費は7兆191億円で、前年比101.1%と微増。大きな特徴として挙げられるのは、マスコミ4媒体とされる「新聞」「雑誌」「ラジオ」「テレビ」の全体の総広告費が3年連続前年割れした一方で、インターネット広告費は4年連続で増加し、ついに雑誌広告費を上回ったことだろう。長期的な傾向として、さまざまな分野にネットが浸透してきていることを分かってはいても、こうして具体的に提示されると衝撃的だ。
(なお、今回の発表で同社は、近年のネット広告やプロモーション関連広告の急速な拡大に代表される著しい変化に鑑み、媒体別広告費の推定範囲を改定、2005年に遡って数値を出している)
同発表中の資料には、1999年~2007年の媒体別広告費がまとめられているのだが、ここに、その時々のネットメディアの象徴的な出来事を重ねてみると、この10年足らずの間の大局的な流れがみえてくる。
ネット広告の歴史は、1998年9月にグーグルが設立されたのとほぼ機を一に始まっている。グーグルはご存知のように、ネット検索エンジンをサービス提供しているが、そのビジネスモデルの中核をなすのは、検索結果と同時に表示される「関連広告」だ。これによって利用者は検索したい内容とそれに関連しそうな品物やサービスの情報を得る。出稿する企業の側から見ても、自社の商品やサービスに興味を持ってくれそうな人に対して広告が表示されることによって、広告の効率が上がり、「金を出す価値のある」媒体になったのである。
2003年1月には「はてなダイアリー」がベータ版サービスを開始。ブログサービスが次々と興され、日本でのブログの急速な普及が始まる。ブログは、ブログパーツやアフィリエイトサービスと相まって、ネット広告の表示機会を飛躍的に増加させていく。
ネットのブロードバンド化に伴って、2005年2月にサービスインしたユーチューブをはじめとする動画配信サービスが普及し始める。この頃になると、人気のある無料ネットサービスが広告によって収入を得るというビジネスモデルがすっかり一つのパターンとしてできあがってきていた。そして、動画配信の普及はまた、ネット広告そのものの質にも影響を与えた。つまり、それまでの単なる誘導リンクのみならず、エンターテイメント性の高い動画広告が増えてきたのだ。
2005年4月に本サービスを開始したギャオは、従来のテレビコマーシャルの手法をそのままネットの世界に持ち込んだ。この年から、電通の広告費統計でネット広告の制作費を推計するようになったのは偶然ではないだろう。ネット広告のエンターテイメント化によって、ネット広告独自にも広告制作費が発生するようになったのだ。
そして、2006年10月、グーグルはユーチューブを買収し、今日の「王国」を築いた。それは終着点ではなく、いまだ衰えを感じさせない快進撃ぶりは、衆目の認めるところだ。
インターネットの世界は、無料化を加速するところに大きな特性があり、無料サービスが基本であるとさえ言え、広告が主な収入源になっている。そのビジネスモデルはテレビやラジオのそれと似ている。ネット業界がこのまま広告媒体として成長してテレビと勝負をしていくのか、メディアミックスが進み統合されたメディアとして変化していくのか、興味深いところである。

これによれば、2007年度の日本の総広告費は7兆191億円で、前年比101.1%と微増。大きな特徴として挙げられるのは、マスコミ4媒体とされる「新聞」「雑誌」「ラジオ」「テレビ」の全体の総広告費が3年連続前年割れした一方で、インターネット広告費は4年連続で増加し、ついに雑誌広告費を上回ったことだろう。長期的な傾向として、さまざまな分野にネットが浸透してきていることを分かってはいても、こうして具体的に提示されると衝撃的だ。
(なお、今回の発表で同社は、近年のネット広告やプロモーション関連広告の急速な拡大に代表される著しい変化に鑑み、媒体別広告費の推定範囲を改定、2005年に遡って数値を出している)
同発表中の資料には、1999年~2007年の媒体別広告費がまとめられているのだが、ここに、その時々のネットメディアの象徴的な出来事を重ねてみると、この10年足らずの間の大局的な流れがみえてくる。
ネット広告の歴史は、1998年9月にグーグルが設立されたのとほぼ機を一に始まっている。グーグルはご存知のように、ネット検索エンジンをサービス提供しているが、そのビジネスモデルの中核をなすのは、検索結果と同時に表示される「関連広告」だ。これによって利用者は検索したい内容とそれに関連しそうな品物やサービスの情報を得る。出稿する企業の側から見ても、自社の商品やサービスに興味を持ってくれそうな人に対して広告が表示されることによって、広告の効率が上がり、「金を出す価値のある」媒体になったのである。
2003年1月には「はてなダイアリー」がベータ版サービスを開始。ブログサービスが次々と興され、日本でのブログの急速な普及が始まる。ブログは、ブログパーツやアフィリエイトサービスと相まって、ネット広告の表示機会を飛躍的に増加させていく。
ネットのブロードバンド化に伴って、2005年2月にサービスインしたユーチューブをはじめとする動画配信サービスが普及し始める。この頃になると、人気のある無料ネットサービスが広告によって収入を得るというビジネスモデルがすっかり一つのパターンとしてできあがってきていた。そして、動画配信の普及はまた、ネット広告そのものの質にも影響を与えた。つまり、それまでの単なる誘導リンクのみならず、エンターテイメント性の高い動画広告が増えてきたのだ。
2005年4月に本サービスを開始したギャオは、従来のテレビコマーシャルの手法をそのままネットの世界に持ち込んだ。この年から、電通の広告費統計でネット広告の制作費を推計するようになったのは偶然ではないだろう。ネット広告のエンターテイメント化によって、ネット広告独自にも広告制作費が発生するようになったのだ。
そして、2006年10月、グーグルはユーチューブを買収し、今日の「王国」を築いた。それは終着点ではなく、いまだ衰えを感じさせない快進撃ぶりは、衆目の認めるところだ。
インターネットの世界は、無料化を加速するところに大きな特性があり、無料サービスが基本であるとさえ言え、広告が主な収入源になっている。そのビジネスモデルはテレビやラジオのそれと似ている。ネット業界がこのまま広告媒体として成長してテレビと勝負をしていくのか、メディアミックスが進み統合されたメディアとして変化していくのか、興味深いところである。
(
城崎裕一
)
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『 浸透度浮き彫りに ネット広告の成長 』に対する






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