すでに一度はケリが着いたと言われていたマイクロソフトによるヤフーの買収劇だが、今度こそ最終決着がついたようだ。ヤフーはグーグルと、かねてからテストを続けていた検索広告の分野での提携を決定し、マイクロソフトとの合併に関する話し合いを打ち切った。これによりヤフーの株価は10%以上下落している。
マイクロソフトのヤフーに対する買収提案が取り下げられたのは5月3日。この席上では買収額の引き上げを提案したにもかかわらず物別れに終わったことが告げられていた。
その後ヤフーは荒波に揉まれている。まず投資家のカール・アイカーン氏による、取締役交代のための委任状争奪戦が検討されているという報道だ。アイカーン氏はヤフーの取締役会が買収提案を受け入れなかったことで株主に損害を与えたとして、取締役会を解任し、再度マイクロソフトとの合併交渉を再開しようとしたようだ。これを受けて年次株主総会を延期するなどの対抗策も採られている。
さらに5月半ばにはマイクロソフトによる再提案が成された。今度はヤフーすべての買収ではなく、資本参加や技術提携の申し出だったという。これにはヤフーの検索事業の買収や一部株式の取得などがあり、マイクロソフトにとって検索事業の強化こそが買収の目的であることを窺わせる。
そして今回のマイクロソフトとの再びの物別れとグーグルとの提携だ。これによりヤフーはグーグルの検索広告、アドセンスなどのコンテンツ連動広告を利用できるようになる。検索エンジンなどの独自コンテンツは残し、収益を上げられる部分での提携としたようだ。他にもIM(インスタントメッセージ)の相互乗り入れなども合意している。
基本契約期間は4年で、以後6年を提携延長期間とするオプションを残すという。ヤフーは今回の提携で年間の売上高が8億ドル増加すると期待されている。
ヤフーにはまだ問題が残っている。今回の提携が独占禁止法に触れるものとして、米司法省の調査が入っている点だ。検索サービスの最大手が手を組むのだから当然だが、両社は司法省の調査期間を与えるため、提携の実施を自主的に3ヶ月半まで遅らせることとしている。ただ、とりあえず今回の提携は実現するだろうと見る向きもあるようだ。
ヤフーは今回の提携で新たな広告主の営業先とキャッシュフローの手段を手に入れた。しかし一方で最大のライバルであるグーグルに、正に「牙を抜かれた」状態であるとも言える。もし「グーグル帝国」に挑戦するつもりがあるのなら、やはり当初のマイクロソフトの提案を受けるのが一番良かったのではないだろうか。しかしその選択が取れないほどには、シリコンバレーはマイクロソフト・アレルギーなのだろう。
マイクロソフトは結局、ネットで戦うための最高の武器-一番欲しかった検索部門-を手に入れることができなかった。最初の合併交渉をまとめられなかったことが原因だ。部分合併ではヤフー側に利益はないのだから、今回の提案が成立しなくても驚くことではない。
こうして見ると今回も勝ったのはグーグルということになる。唯一、自分たちに対抗しうる存在の登場を潰し、最大のライバルの牙を抜き、巨人に武器を与えることさえもさせなかった。しかもヤフーがグーグルの広告主をターゲットにできるということは、逆もまたしかり。グーグルがヤフーの広告主を根こそぎ奪っていくという可能性もある。まして検索エンジンなどには独自のモノが残り、効率や精度においてグーグルの方が良いものを持っていることが分かっているのだから。
収益の増加とキャッシュフローの改善によって経営を立て直し、再びその「牙」を研ぐことができるかどうか。ヤフーの将来はそれにかかっている。

グーグルのオフィシャルブログ (http://googleblog.blogspot.com/) がヤフーとの提携を伝えた
マイクロソフトのヤフーに対する買収提案が取り下げられたのは5月3日。この席上では買収額の引き上げを提案したにもかかわらず物別れに終わったことが告げられていた。
その後ヤフーは荒波に揉まれている。まず投資家のカール・アイカーン氏による、取締役交代のための委任状争奪戦が検討されているという報道だ。アイカーン氏はヤフーの取締役会が買収提案を受け入れなかったことで株主に損害を与えたとして、取締役会を解任し、再度マイクロソフトとの合併交渉を再開しようとしたようだ。これを受けて年次株主総会を延期するなどの対抗策も採られている。
さらに5月半ばにはマイクロソフトによる再提案が成された。今度はヤフーすべての買収ではなく、資本参加や技術提携の申し出だったという。これにはヤフーの検索事業の買収や一部株式の取得などがあり、マイクロソフトにとって検索事業の強化こそが買収の目的であることを窺わせる。
そして今回のマイクロソフトとの再びの物別れとグーグルとの提携だ。これによりヤフーはグーグルの検索広告、アドセンスなどのコンテンツ連動広告を利用できるようになる。検索エンジンなどの独自コンテンツは残し、収益を上げられる部分での提携としたようだ。他にもIM(インスタントメッセージ)の相互乗り入れなども合意している。
基本契約期間は4年で、以後6年を提携延長期間とするオプションを残すという。ヤフーは今回の提携で年間の売上高が8億ドル増加すると期待されている。
ヤフーにはまだ問題が残っている。今回の提携が独占禁止法に触れるものとして、米司法省の調査が入っている点だ。検索サービスの最大手が手を組むのだから当然だが、両社は司法省の調査期間を与えるため、提携の実施を自主的に3ヶ月半まで遅らせることとしている。ただ、とりあえず今回の提携は実現するだろうと見る向きもあるようだ。

ヤフー (http://www.yahoo.com/) は再び牙を研ぐことができるのだろうか
ヤフーは今回の提携で新たな広告主の営業先とキャッシュフローの手段を手に入れた。しかし一方で最大のライバルであるグーグルに、正に「牙を抜かれた」状態であるとも言える。もし「グーグル帝国」に挑戦するつもりがあるのなら、やはり当初のマイクロソフトの提案を受けるのが一番良かったのではないだろうか。しかしその選択が取れないほどには、シリコンバレーはマイクロソフト・アレルギーなのだろう。
マイクロソフトは結局、ネットで戦うための最高の武器-一番欲しかった検索部門-を手に入れることができなかった。最初の合併交渉をまとめられなかったことが原因だ。部分合併ではヤフー側に利益はないのだから、今回の提案が成立しなくても驚くことではない。
こうして見ると今回も勝ったのはグーグルということになる。唯一、自分たちに対抗しうる存在の登場を潰し、最大のライバルの牙を抜き、巨人に武器を与えることさえもさせなかった。しかもヤフーがグーグルの広告主をターゲットにできるということは、逆もまたしかり。グーグルがヤフーの広告主を根こそぎ奪っていくという可能性もある。まして検索エンジンなどには独自のモノが残り、効率や精度においてグーグルの方が良いものを持っていることが分かっているのだから。
収益の増加とキャッシュフローの改善によって経営を立て直し、再びその「牙」を研ぐことができるかどうか。ヤフーの将来はそれにかかっている。
(
矢橋司
)
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