《Firefox3.0発表》 初日のDLは800万超、Opera、Safari……シェア握るのは?

2008年07月01日(火)

[ 89 号]

 Mozilla Foundationは6月18日、待望のFirefox3.0をリリースした。初日を「Firefox Download Day」とし、24時間で最も多くダウンロードされたソフトウェアの記録に挑戦。全世界で830万ダウンロード、日本でも40万を超え、見事に世界記録を樹立した。

1日で830万ダウンロードを達成したFirefox。軽くて速い、機能が豊富という点ではやはり使いやすいブラウザだ

1日で830万ダウンロードを達成したFirefox。軽くて速い、機能が豊富という点ではやはり使いやすいブラウザだ


 Firefox(ファイアフォックス)はオープンソースのウェブブラウザで、その起源はNetscape(ネットスケープ)に遡る。一気にシェアを拡大しつつあったインターネット・エクスプローラー(IE)に対抗するためにもソフトウェアをオープンソース化し、メール機能とブラウザ機能を切り離し、軽量化と高速化を実現する開発を行うことになったのがその端緒だ。その後IEにウェブブラウザ市場を独占され、母体となったネットスケープはその開発を終了するが、ファイアフォックスは目的としていた軽量化と高速化を実現し、さらにセキュリティ問題が解決しないIEから乗り換える人が増えたことでブラウザシェアを回復。そして今回、満を持しての最速バージョンである3.0の投入となったわけだ。

 ファイアフォックスの特徴をあげるなら、ウィンドウズ、Mac OS、Linuxの3種類のOSで使えるマルチプラットフォームであることと、アドオン方式をとることで様々な機能を追加できる点だろうか。特にこのアドオン機能は優秀で、単純に見かけを変えられる以外にもグーグルカレンダーやGメールとの連携ができるもの、Twitterクライアントをステータスバーに追加するものなど様々だ。オープンソースコミュニティによるアドオン開発は常に行われ、バージョンアップが速いのも良いところだろう。

 IEの例を見ても分かるように、ブラウザシェアを取ることには意味がある。ウェブサイトは「シェアのあるブラウザで見ることができる」ことを目指し、その仕組みに準拠したサイト作りが行われるため、シェアを取ることが市場の寡占化につながりうる。実際、IEはウェブ標準への対応度が低く、結果多くのウェブサイトは他のブラウザでは見られない作りになっているものも多い。

 現在、IEのシェアはセキュリティホールの問題などから徐々に減ってきており、そこにファイアフォックスとOpera(オペラ)、アップルのSafari(サファリ)が登場してシェア争いを続けている。特にサファリは近年、Macの人気とウィンドウズ版の登場によってシェアを拡大している。iTunesのウィンドウズ版の投入で成功したアップルとしては、サファリにさらなるシェア獲得の先鋒となって欲しいところだろう。

携帯市場では大きなシェアを誇るSafariは普通のウェブサイトも非常に綺麗に表示できるのが魅力

携帯市場では大きなシェアを誇るSafariは普通のウェブサイトも非常に綺麗に表示できるのが魅力


 さらに注目なのはスマートフォンで使われている、PC用のウェブページを携帯で同じように見ることができる「フルブラウザ」の市場争いだ。実はこの市場は、アップルのサファリとそのエンジン部分であるWebKit(ウェブキット)が大きなシェアを占めている。iPhoneに搭載されているサファリはもちろんのこと、ノキア、サムスン、モトローラなどの各社がこぞってウェブキットを採用。さらにグーグルが進めるオープンソースの携帯規格であるアンドロイドもこのウェブキットを採用しているのだ。

 ウェブキットが携帯市場でのIEの場を占めるようになる可能性は高い。そして今後のウェブページはPCだけでなく、携帯でも同じように見えることを考えた作りになってくるはずだ。そのときの「標準」をどこが握るのか。まだまだ未開の地である携帯のウェブ市場争いはまだ始まったばかりだ。
( 矢橋司 )


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