ミクシィが 「mixi OpenID」 提供、オープン路線が形に

2008年09月02日(火)

[ 97 号]

 国内SNSの最大手ミクシィ(mixi)が、8月20日、オープンID(OpenID)に対応することを発表。認証サービス「mixi OpenID」の提供を開始した。これは同時に発表された、外部パートナーと共同でSNSのサービスを構築する「mixi Platform」の第1弾となる。海外ではすでにフェースブックが行っているFacebook Platformと同じような機能と考えて良いだろう。ミクシィもいよいよ、オープン路線へと大きく動くようだ。

 今回ミクシィが提供するのは、mixi OpenID対応ウェブサービス上でマイミクシィやコミュニティのユーザーだけにアクセスを許可できる「マイミクシィ認証」「コミュニティ認証」。発表現在、CMSシステムのMovableTypeがミクシィのIDを使ってコメントを可能にするプラグインを発表。他にも動画共有サイトFlipClipや音楽検索サイトmonsterfmなどの対応が発表されている。例えばFlipClipでは「mixiでログイン」というリンクを用意してあり、ログイン時にミクシィ上の認証ステップを利用する形になっている。さらに全世界のOpenIDに対応する1万以上のウェブサービスを、ミクシィのメールアドレスとパスワードで利用できるようになる。実際使ってみると、使い慣れたミクシィのIDでログインできるというのは思った以上に便利で、ミクシィのIDでログインできるサービスに魅力を感じるユーザーも多いはずだ。ユーザー数1500万人を誇るミクシィがオープンIDに対応することで、国内でも一気にオープンID対応サービスが増える可能性も高い。魅力的なサービスで、ミクシィのユーザーベースをそのまま取り込むことが容易になるからだ。

mixi内で対応サービスを紹介している。オープンIDによってmixiはさらに巨大になるだろうか

mixi内で対応サービスを紹介している。オープンIDによってmixiはさらに巨大になるだろうか


 今回の発表でもうひとつ気になるのはmixi Platformという新しい言葉だ。ミクシィは「外部パートナーと共同でサービスを構築するスキーム」とし、これまでクローズドなSNSだったミクシィが、オープン路線へと大きく舵を取ることを表している。ミクシィは昨年の時点でグーグルのOpenSocialへの賛同は示していたが、これまでどのような動きをするのか見えていなかった。mixi Platformはその答えと見ていいだろう。今後の対応としては2008年度中に発表とされているが、ミクシィのデータの外部利用やアプリケーションプラットフォームの解放を予定しているという話もある。これらは、DataPortabilityやOpenSocialと、同じ考え方をもったものになってきそうだ。

 海外の大手SNS、フェースブックとマイスペースが日本でもサービスを開始しているが、ミクシィとの差がなかなか埋まらない。ユーザーベースの大きさや匿名性は、やはり日本の文化に合っているということもあるだろう。フェースブックの最大の武器であるプラットフォームのオープン化も、ミクシィが今回の対応で実現したことで、さらにその差は開く可能性もある。ミクシィのサービスそのものが、他社との連携によってさらに便利なものに変わるのは歓迎したい。ただ、世界で起こっているオープン化の波の中で、求められているのはインターネット上における「個」の確立だ。世界のサービスに対して日本の匿名サービスのままでどこまで食い込めるのか。先々この部分でもオープン化が求められることになるかもしれない。

 いずれにせよミクシィはオープン化を進めることで、さらにたくさんのサービスを取り込み、巨大になっていくだろう。ミクシィが目指すのは全ての人のためのユーザープラットフォームなのかもしれない。
( 矢橋司 )

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