《iPhone包囲網》 イー・モバイルとauがHTC端末、ドコモはブラックベリー新機種

2008年09月24日(水)

[ 100 号]

 iPhoneが登場してから、国内でのスマートフォン市場がいよいよ拡大の兆しを見せ出している。今月、まずはイー・モバイルがHTCの注目のTouch Diamondを10月上旬より発売することを発表した。Touch DiamondはiPhone登場後に発売されたWindows Mobile機で、薄く軽くスマートなデザインで世界で人気を博している機種だ。続いて、これまでスマートフォン市場に参入していなかったauが、同じくHTCのTouch Proを来年法人向けに投入することを発表。このTouch ProはDiamondにQWERTYキーボードを搭載した機種。メールやEZウェブサービスなどに対応しないと言われ、iPhoneと同じように既存のサービスを利用できない機種になりそうだ。一方、ドコモはBlackberryの新機種投入を予定しており、これをもって日本では「iPhone包囲網」という言葉も使われている。(※追記:9月18日校了前、HTCが、DiamondとProをドコモとソフトバンクモバイルからも発売すると発表)

日本以外の市場ではすでに販売され好評のDiamondとPro。香港HTCサイト(http://www.htc.com/hk-tc/)でトップに表示されている

日本以外の市場ではすでに販売され好評のDiamondとPro。香港HTCサイト(http://www.htc.com/hk-tc/)でトップに表示されている


 そのiPhoneは9月12日、これまでの不具合を解消したファームウェアを公開。バージョンアップが可能になった。これにより日本語入力の改良、バッテリー能力の向上、電波感度の劇的な向上などが見られ、いよいよ使えるスマートフォンという印象が強まりつつある。日本では売れていないと言ってもすでに20万台、さらに世界規模で見れば週に80万台近くが売れているという。すでにアップルが目標としていた、今年年末までの全世界市場の1%、1000万台は突破しているとも言われている。

 日本市場でiPhoneが敗戦した、などと言われているが、その内容は「年内100万台」予測に及ばないというようなもの。そもそもこの予測数値自体、発売当日を見たマスコミが作り上げたものだった。2ヶ月で20万台という数字は、日本のスマートフォン市場規模で見れば十分、ヒット端末だと言えるだろう。

 先日のアップル・スペシャルイベントでジョブスCEOは、App Storeでのソフトのダウンロード数がオープンからわずか60日で1億本を突破したと発表している。1年以内には10億本に達する見込みで、iTunesの音楽市場よりも遙かに速い速度でこの市場が拡大していることがわかる。そしてこの市場は世界だけでなく日本でも展開されている。海外のソフトはそのまま販売され、日本のソフトも海外で販売されている訳だ。こうした現実があるにも関わらず、一時の売上でiPhoneは失敗だと騒いでいるのをみると、日本は大丈夫なのだろうかという気がしてくる。

 さらに言えば、急速に拡大しつつあるスマートフォン市場には日本メーカーはいないのだ。次に購入する端末にスマートフォンをと考えているユーザーが多いという調査もある。日本のメーカーは、このまま海外メーカーにシェアを持って行かれて良いのか。

 今年の冬にはいよいよAndroidも登場して、スマートフォン市場はまさに本格化する。その時日本メーカーは市場のプレイヤーとなれるのか。少なくとも、「iPhoneが売れていない」=「日本のケータイはコレで良い」では決してない。失敗したと喜んでいても、次の段階へ進むことはできない。
( 矢橋司 )

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