音楽レーベル各社がiTunesに値上げ交渉をしていたのは昨年の話。今年のトレンドは「DRMフリー・広告付き無料」に向かっているようだ。
米国時間1月23日、英国発の音楽SNS、Last.fmは、あらゆる楽曲を3回までフルトラック・ストリーミングで試聴できるようになったことを発表した。3回再生した後は、購入するかどうかのオプションが表示される。
無料の音楽配信をしようとしているのはLast. fmだけではない。米Imeemも四大メジャーレーベルとの契約を終え、広告付きフルトラック・ストリーミングが可能になっている。米ヤフーもDRMフリー、広告入り無料の音楽配信を計画していると、アメリカの一部報道機関が伝えている。すでにメジャーレーベルと交渉に入ったと見られており、今後の展開が期待される。
1月26日にはQtraxがEMI、ソニー、ユニバーサル、ワーナーの四大レーベルと契約を完了したと発表し、話題をさらった。QtraxはSongbirdと呼ばれる広告表示を行う専用プレイヤーを使って無料音楽配信サービスをスタートするはずだったのだが、発表レーベルとの契約は完了していないことが後日明らかになり、立ち上げは暗礁に乗り上げている。1月31日現在、プレイヤーはダウンロードでき、楽曲リストも1000万曲ほどが表示されるようだが、ダウンロードは一切できない。
しかし、この流れは変わらないだろう。あちこちから噴出し、時代の空気を形成し始めている「音楽の無料化」。音楽産業はいよいよ「楽曲を売る」ことを諦め、違うビジネス形態を模索し始めたことは間違いないようだ。
音楽業界がDRMフリーからさらに無料配信へと進んでいった背景には、やはりアップルとiTunesの存在があるだろう。
メジャーレーベルがDRMフリーを推し進めているのは、iTunes以外の配信先を探しているからである。これまでのiTunes以外のDRM付き配信ではiPodでの再生ができなかった。しかしDRMフリーになることで、どの音楽配信先でもiPodを再生機器に使える。再生機器は70%のシェアを誇るiPodを使い、音楽配信業者は自分たちのコントロールしやすい新規参入先を選ぶ。これがDRMフリーの実情だ。
そして今度の無料配信は、iTunesの価格支配に対する挑戦であると同時に、「音楽を売る」こと以外に収益の道を見つけたということでもある。
99セント、9ドル99セントという統一価格を維持するiTunesに対抗するためにはそれより安い価格である必要がある。それならいっそのこと音楽自体は無料で配ってしまい、他の部分で利益を出せば良い。音楽配信業者が目を付けたのはその点だろう。再生プレイヤーにクリック一つでサイトにアクセスできる広告を配置する。広告枠が売れれば十分な収入が得られる。それはグーグルのビジネスモデルと同じだ。十分な収入を得られるかどうかはユーザー数にかかっているが、すべて無料で、しかも曲数も多いのは十分に魅力的。多くのユーザーを集める可能性は十分にある。その判断から四大メジャーレーベルが協力していると考えていいだろう。
音楽はこうして無料へと向かいつつある。しかしメジャーレーベルの思うように、このビジネスは成功するだろうか。なぜなら、広告収入ビジネスモデルの成功者グーグルと手を組み、さらにネットに繋がる最もメジャーな携帯プレイヤー、iPhoneやiPod touchを持っているのは、実はアップルなのだから。アップルの次の隠し球は、広告表示機能のあるiPodかもしれないのだ。
米国時間1月23日、英国発の音楽SNS、Last.fmは、あらゆる楽曲を3回までフルトラック・ストリーミングで試聴できるようになったことを発表した。3回再生した後は、購入するかどうかのオプションが表示される。

Last.fmの日本サイト(http://www.lastfm.jp/)。日本では記事のようなサービスは始まらない
無料の音楽配信をしようとしているのはLast. fmだけではない。米Imeemも四大メジャーレーベルとの契約を終え、広告付きフルトラック・ストリーミングが可能になっている。米ヤフーもDRMフリー、広告入り無料の音楽配信を計画していると、アメリカの一部報道機関が伝えている。すでにメジャーレーベルと交渉に入ったと見られており、今後の展開が期待される。
1月26日にはQtraxがEMI、ソニー、ユニバーサル、ワーナーの四大レーベルと契約を完了したと発表し、話題をさらった。QtraxはSongbirdと呼ばれる広告表示を行う専用プレイヤーを使って無料音楽配信サービスをスタートするはずだったのだが、発表レーベルとの契約は完了していないことが後日明らかになり、立ち上げは暗礁に乗り上げている。1月31日現在、プレイヤーはダウンロードでき、楽曲リストも1000万曲ほどが表示されるようだが、ダウンロードは一切できない。

4大メジャーとの契約完了発表が「ウソ」だったQtrax(http://qtrax.com/)
しかし、この流れは変わらないだろう。あちこちから噴出し、時代の空気を形成し始めている「音楽の無料化」。音楽産業はいよいよ「楽曲を売る」ことを諦め、違うビジネス形態を模索し始めたことは間違いないようだ。
音楽業界がDRMフリーからさらに無料配信へと進んでいった背景には、やはりアップルとiTunesの存在があるだろう。
メジャーレーベルがDRMフリーを推し進めているのは、iTunes以外の配信先を探しているからである。これまでのiTunes以外のDRM付き配信ではiPodでの再生ができなかった。しかしDRMフリーになることで、どの音楽配信先でもiPodを再生機器に使える。再生機器は70%のシェアを誇るiPodを使い、音楽配信業者は自分たちのコントロールしやすい新規参入先を選ぶ。これがDRMフリーの実情だ。
そして今度の無料配信は、iTunesの価格支配に対する挑戦であると同時に、「音楽を売る」こと以外に収益の道を見つけたということでもある。
99セント、9ドル99セントという統一価格を維持するiTunesに対抗するためにはそれより安い価格である必要がある。それならいっそのこと音楽自体は無料で配ってしまい、他の部分で利益を出せば良い。音楽配信業者が目を付けたのはその点だろう。再生プレイヤーにクリック一つでサイトにアクセスできる広告を配置する。広告枠が売れれば十分な収入が得られる。それはグーグルのビジネスモデルと同じだ。十分な収入を得られるかどうかはユーザー数にかかっているが、すべて無料で、しかも曲数も多いのは十分に魅力的。多くのユーザーを集める可能性は十分にある。その判断から四大メジャーレーベルが協力していると考えていいだろう。
音楽はこうして無料へと向かいつつある。しかしメジャーレーベルの思うように、このビジネスは成功するだろうか。なぜなら、広告収入ビジネスモデルの成功者グーグルと手を組み、さらにネットに繋がる最もメジャーな携帯プレイヤー、iPhoneやiPod touchを持っているのは、実はアップルなのだから。アップルの次の隠し球は、広告表示機能のあるiPodかもしれないのだ。
(
矢橋司
)
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『 音楽無料化へ動く レーベル各社の思惑 』に対する







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