目玉はLiMo? Android?

[Mobile World Congress 2008]

2008年02月19日(火)

[ 72 号]

 2月11日から14日まで、スペイン・バルセロナにおいて、恒例の世界最大級モバイル業界イベント「Mobile World Congress 2008」が開催された。

 これは毎年開かれるモバイル業界のイベントで、昨年(名称は3GSM World Congress)は、4日間で5万5000人が世界各国から訪れている。毎回各携帯端末メーカーの新機種やサービスの発表、さらには開発中の技術の展示が行われる。

世界の主要携帯メーカーがこぞって参加したMobile World Congress 2008

世界の主要携帯メーカーがこぞって参加したMobile World Congress 2008


 今年は、グーグルの携帯電話向けプラットフォーム「アンドロイド」を採用した試作機の登場も期待され、開催前から注目を集めていた。一方、2月4日にLinuxベースの携帯電話プラットフォーム「LiMo Platform」のAPIも公開されており、この2つの公開が今回のイベントの目玉になるかと思われた。しかし実際には、アンドロイド端末はまだ各メーカーのプロトタイプしか公開されず、対して先行するLiMo側は第1弾製品の発表を行うという、明暗の分かれるものとなった。

 アンドロイドに関しては、13日にSDKの大規模アップデートが実施され、ソフトウェア開発コンテストの期限も延長されることになっている。評価機はテキサス・インスツルメンツ、QUALCOMM、NECなどが公開。Samsung、LG電子などは、2009年の早い時期には市場に投入したいと語っている。しかしいずれにせよ、今回発表された機種がすぐ製品になるということではなさそうだ。

 LiMo側は実際に第1弾製品を発表したことで一気に勢いづいているようだ。モトローラ、NEC、パナソニック、Samsungらが計15機種を発表している。やはり実際の製品を投入できたというのは強い。LiMoファウンデーション設立から1年での製品化で、携帯の新OSという点では一歩リードといった感がある。

パナソニックモバイルコミュニケーションズのブース

パナソニックモバイルコミュニケーションズのブース


 NTTドコモが提唱する新しい通信規格、「LTE(Long Term Evolution)」も注目を集めている。Super 3Gとも呼ばれる高速無線通信技術で、既存のW-CDMAの周波数帯をそのまま利用できることから、設備に大きな変更を必要としないという。すでにNECや富士通が開発ベンダーとして選定されており、ノキアもパナソニックに協力する形で参加が決まっていたが、今回のイベントでエリクソンが参加を発表した。2010年以降の商用展開を目指す。

 ノキアはN96を初めとする四機種を発表し、相変わらずその存在感を示している。今回の新製品からグーグルの検索エンジンへのアクセスが可能になっており、今後のモデルへの対応も謳われている。さらに現在提供中のオンラインサービス「Ovi」にメディア共有コミュニティ「Share on Ovi」を追加することも発表した。これは携帯電話、PCから写真や動画をアップロードし、他のユーザーと共有ができるサービスだ。

 現在買収劇の渦中にあるヤフーも、モバイル対応の新しいサービスを発表した。「OneConnect」と呼ばれ、ソーシャルなアドレス帳を使ってSNSやIM、メールを統合できるモバイルサービスだという。アドレス帳が常にネットワークと同期し、登録されている友人のSNSでの行動を知らせたり、IMの履歴を表示したりできる。対応するサービスはFacebook、GoogleTalk、MSN Messenger、Twitterなど、主要なネットワークサービスを縦断して網羅している。ブラウザが使えるほぼすべての機種で利用可能とのことで、PCなどを含めたオンラインと携帯を繋ぐサービスとして期待できそうだ。

 期間中、マイクロソフトによる携帯端末メーカーDanger社の買収というニュースも飛び込んできたモバイルワールドコングレス。来年は端末での参加企業としてMSやアップルの名前も登場するかもしれない。
( 文:矢橋司、写真:麻生ちはや )

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