
内部統制において「文書化」は基本であり必然と言えます。内部統制を整備するにあたり、企業は既存の社内ルールや手続の見直しなどを行わなければなりませんが、必要とされる重要なステップが「文書化」です。業務上「文書化」されるべき文書は、原則やルールを示したマニュアル、その原則やルールで業務を行う上で承認を得るための申請書や作業結果を記した報告書などがあります。適切に運用されるようになるには時間がかかりますが、その第一歩として、現状を知ることから始めなくてはなりません。
まず社内で内部統制やコンプライアンスに対する理解が浸透しているかという問題にはじまり、自社の経営理念や経営戦略を理解しているかという従業員の意識も大切です。以下の項目をセルフチェックしてあなたの企業の現状をイメージし把握して下さい。
・実際に内部監査が自社内で行われ自浄作用があるか
・出張費や交際費などの申請についての明確なルールはあるか
・同じ部門でも違うチームの業務を把握しているか
・担当者の不在時に、自分の権限外の業務を依頼されるか
・業務上の問題点を共有できる相手がいるか
・取引先や顧客からのクレーム処理の手順や報告のルールはあるか
・個人情報取り扱いに関する明確なルールはあるか
・社外とのデータのやり取りに関して、暗号化などセキュリティ対策はしているか
・人材不足などで、広範囲にわたる業務が個人に集中していないか
・各種申請書類の承認者はその内容を理解している適任者であるか
・私物のパソコンを仕事で頻繁に使用していないか
・社内ネットワーク上のデータのセキュリティは万全か
文書化プロジェクトは経営者がリーダーシップを
現状を把握し内部統制を整理していく上で、チェック機能を強化する体制作りが重要になってきます。「文書化」を進めるうえで、経営者が内部統制の文書化プロジェクトの重要性を熟知し、経営者自らリーダーシップを発揮することが成功の秘訣です。経営者が率先して、内部統制における不備のある点を洗い出して、徹底的に改善するという姿勢を従業員にアピールすることが必要です。経営者が最終的に内部統制を評価する時、監査人から文書化プロジェクトで隠されていた不備を指摘されるようなことがあってはいけません。
また、責任範囲を明確にするためには、プロジェクトのコアメンバーに適任者を配置することが重要です。文書化は、従業員全員が対象になりますので、適任者を置くことが、適切なプロジェクト体勢の構築につながります。適任者には、経理・会計・監査・内部統制に関して知識・経験があること、社内や取引先の担当者とうまく交渉、調整ができることや情報システムやIT統制に精通していることが求められます。
そして、文書化のメリットとして挙げられることは、業務の標準化と可視化にあります。どんなに良いルールでも、それを利用する者が理解できなければ運用はうまく行きません。業務が「文書化」により標準化されることで、業務全体の効率が向上し、業務の信頼性や安全性にも大きく貢献することになります。よって、内部統制整理のうえで、ポリシールールおよび手順の文書化が必然であると言えます。
例えば、製造会社の工場、レストランの接客、コールセンターなどではマニュアルが一般化していますが、総務部の日常業務や経理の入出金処理や経費精算などは、明確な文書化がされず、先輩から後輩へ口頭で引継ぎされたレベルというケースも意外に多いのではないでしょうか。業務を可視化し、ミスをなくすなどメリットのある「文書化」は内部統制の整備には欠かせないプロセスの第一歩と言えるでしょう。
(
植田鉄也
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『 現状把握、改善案の決定からポリシーやプロセスの文書化 』に対する
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