「仕入れ/購買」の内部統制

【内部統制.IT vol.013】

2007年07月24日(火)

[ 46 号]

取引先の与信管理ができていることが求められる
 仕入および購買業務は、会社の販売計画や生産計画を考えるうえで、とても重要なプロセスになります。商品や原材料を、必要な時に必要なだけ使用できるようにしておく納期管理と在庫管理は、このプロセスの肝と言うことができます。業務の流れは、まず、仕入先に注文(発注)し、仕入れた商品を検品(検収)し、仕入・購入代金を支払う(支払)というプロセスになります。

 では、商品の仕入について内部統制システムを構築するうえで、ポイントになることはどんなことでしょうか。発注で最も大切なのは、コンプライアンス意識の高い仕入れ先を選ぶということです。仕入れ先の選定でのポイントは、その取引先の経営状態や財務状態について、詳細に把握しているということです。つまり、取引先の与信管理ができていることが求められます。倒産寸前の企業に発注しているようでは、納品が遅れたり、納品されなかったりして、販売計画に支障をきたします。万が一、有害な物質が入った原材料を仕入れて、それを加工して販売したとしたら、企業責任を問われてしまいます。価格だけでなく、コンプライアンスにしっかりと目を向けた仕入れ先であるかを見極める必要があります。

 仕入・購買業務は、販売業務とは反対の立場になるため、担当者は、仕入先から営業されることになります。仕入れ先から必要以上のものを買わされたり、購入した見返りに、リベートとして現金を受け取ったりする不正行為が起こる可能性が、常に潜んでいます。こうした不正行為を未然に防ぐための内部統制のしくみを構築しておくことが、非常に重要になります。具体的には、仕入と支払担当を分けるといった、職務の分掌が有効になります。また、仕入・購買担当者の定期的な人事ローテーションをすることも、効果を発揮するでしょう。
資産である在庫を盗難、横領、災害などから守る
 発注、検収、支払の後は、在庫管理がとても重要になります。在庫は、会社にとっては大切な資産になりますので、盗難、横領、災害などから守るシステムが内部統制上、必要になります。倉庫の施錠はもちろんのこと、立ち入ることができる担当者の制限やIDチェック、入退出記録の保管や、信用のおける警備員を配置することなども、考慮すべき対策です。

 そして、資産管理のうえでもっとも重要なプロセスが、たな卸になります。会社の貸借対照表に、たな卸資産として計上されている金額の在庫が実在するかを確認します。このたな卸も、出荷担当者や検収担当者とは違う担当者が行う必要があります。帳簿の数量と実存数に差異があれば、架空計上が起こっている場合があります。そのためにも、原因調査を厳密に行わなければなりません。

 在庫評価チェックも定期的にします。在庫が長い間眠っているような場合は、市場価格を検証し値下げをし、評価損を計上することも不可欠です。そのような作業にも、明確な承認ルールを定めることが大事になってきます。

 支払業務では、仕入れた商品代金を支払い期日までに支払います。支払担当者は、仕入先から送られてきた請求書を確認し、検収報告書と見合せて合致しているかを照合していきます。納品が遅れて受け取っていない商品の請求が含まれていることもあります。

 そして、大事なのは、発注・仕入担当者が仕入れ先の支払いも行うことは、不正が非常に起こりやすい状態になりますので、絶対に避けるべきです。また、請求書を最初に受け取るのは、発注・仕入担当者以外の担当にするなどして、不正行為を未然に防ぐ対策を万全にしたほうが良いでしょう。

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