人材確保の問題により本質的なリスクがある
景気が回復するにつれ、企業にとっては資金よりも人材の調達が難しい時期になりつつある昨今。経営における人材確保の問題については、「より本質的なリスクがあることを認識しなければならない」とセレブレイン代表取締役社長の高城幸司氏は説明する。「リスクは大きく二つあります。ひとつめは、採用しても辞めてしまうというリスク。もうひとつは、採用した人材が、実際に企業の目指すベクトルに合わせて動けないというリスクです」
とくに後者に関しては、内部統制の時代に顕著になるリスクだと高城氏は言う。「本来、内部統制やJSOXというものは、企業に所属するすべての社員が自分の問題として認識し、徹底しなければならない性格のもの。企業は、それを目指してマネジメントを効かせなければならない。しかし、実際には、内部統制などの取り組みは管理部だけが行うものといった認識が広く蔓延しているのです」
高城氏によれば、成長期のベンチャー企業などで、こうした落とし穴に陥りやすい傾向にあるという。「業歴の長い大企業では管理手法も熟成していますが、ベンチャーではそうはいきません。実際、経営者と管理職、従業員の間の距離が近いと思っているのは、じつは経営者だけだったという事例が少なくない。経営者の多くは“何かあったら言ってくるに違いない”“うちの従業員が悪いことをするはずがない”という考えを抱きがちで、それが認識齟齬の要因となってしまうのです」
もちろん、こうした経営者の考え方が一概に悪いとは言えない。「創業期の企業としては必要な面もあります」と言う高城氏はしかし、「一方で、今後の成長を見据えたとき、こうした性善説だけでは回らなくなってしまうことも理解しなくては」と続ける。
具体的には、「経営陣に対しても従業員に対しても、まずどのような決まりがあるのかという認識を徹底させる必要があります。また、守らなかった場合のペナルティを周知徹底し、リスクがあればそれを速やかに伝える仕組み作りも欠かせません」と高城氏は説明する。
職場満足度調査をリスクモンスターと共同で提供
そして、これらが機能しているかどうかを測定するためのモノサシが、セレブレインがリスクモンスター株式会社と共同で提供する「リスモン職場サーベイ」のような職場満足度調査なのである。「調査の結果、満足度があまりに低い場合、先述の二つのリスクにつながる可能性が高い。内部統制の面では、企業が目指すベクトルを守れないことによる情報漏えいなどのリスクがあるということですね」と高城氏。
内部統制やJSOXなどの対策を考えるとき、多くの企業ではシステム面や仕組み上の対策を最優先する傾向にあるが、これに対して高城氏は「じつはよりソフトな人材マネジメント面での対策も効果的かつ不可欠であることは、残念ながらあまり認識されていません」と言う。「内部統制が運用の時期に入るまでに、こうした人材マネジメントの重要性が広く認識されることが必要なのではないでしょうか」〈つづく〉
景気が回復するにつれ、企業にとっては資金よりも人材の調達が難しい時期になりつつある昨今。経営における人材確保の問題については、「より本質的なリスクがあることを認識しなければならない」とセレブレイン代表取締役社長の高城幸司氏は説明する。「リスクは大きく二つあります。ひとつめは、採用しても辞めてしまうというリスク。もうひとつは、採用した人材が、実際に企業の目指すベクトルに合わせて動けないというリスクです」

「内部統制が健全に機能しているかを測定するための指標が必要」と語る高城氏
とくに後者に関しては、内部統制の時代に顕著になるリスクだと高城氏は言う。「本来、内部統制やJSOXというものは、企業に所属するすべての社員が自分の問題として認識し、徹底しなければならない性格のもの。企業は、それを目指してマネジメントを効かせなければならない。しかし、実際には、内部統制などの取り組みは管理部だけが行うものといった認識が広く蔓延しているのです」
高城氏によれば、成長期のベンチャー企業などで、こうした落とし穴に陥りやすい傾向にあるという。「業歴の長い大企業では管理手法も熟成していますが、ベンチャーではそうはいきません。実際、経営者と管理職、従業員の間の距離が近いと思っているのは、じつは経営者だけだったという事例が少なくない。経営者の多くは“何かあったら言ってくるに違いない”“うちの従業員が悪いことをするはずがない”という考えを抱きがちで、それが認識齟齬の要因となってしまうのです」
もちろん、こうした経営者の考え方が一概に悪いとは言えない。「創業期の企業としては必要な面もあります」と言う高城氏はしかし、「一方で、今後の成長を見据えたとき、こうした性善説だけでは回らなくなってしまうことも理解しなくては」と続ける。
具体的には、「経営陣に対しても従業員に対しても、まずどのような決まりがあるのかという認識を徹底させる必要があります。また、守らなかった場合のペナルティを周知徹底し、リスクがあればそれを速やかに伝える仕組み作りも欠かせません」と高城氏は説明する。
職場満足度調査をリスクモンスターと共同で提供
そして、これらが機能しているかどうかを測定するためのモノサシが、セレブレインがリスクモンスター株式会社と共同で提供する「リスモン職場サーベイ」のような職場満足度調査なのである。「調査の結果、満足度があまりに低い場合、先述の二つのリスクにつながる可能性が高い。内部統制の面では、企業が目指すベクトルを守れないことによる情報漏えいなどのリスクがあるということですね」と高城氏。
内部統制やJSOXなどの対策を考えるとき、多くの企業ではシステム面や仕組み上の対策を最優先する傾向にあるが、これに対して高城氏は「じつはよりソフトな人材マネジメント面での対策も効果的かつ不可欠であることは、残念ながらあまり認識されていません」と言う。「内部統制が運用の時期に入るまでに、こうした人材マネジメントの重要性が広く認識されることが必要なのではないでしょうか」〈つづく〉
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文:森田亮、写真:更科智子
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『 内部統制の時代における人材管理リスクとは 』に対する
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