[日本エフ・セキュア株式会社]

【セキュリティソリューションの匠たち】

2007年10月10日(水)

[ 56 号]

 「IT業界全体に関して言えば、以前ほど目新しさにあふれているわけではない」
 こう語るのは、フィンランド発のウイルス対策の老舗であり世界100カ国以上に展開するF-Secureの日本法人、日本エフ・セキュアの渡邊宏代表取締役だ。同氏は国内の業界動向を「今後は端末とアプリケーションサーバーへの注力という二極化が進むのではないでしょうか」と分析する。

日本エフ・セキュア株式会社 代表取締役 渡邊 宏氏 「自分たちが注力すべきニッチなジャンルだけに注力して製品を提供できる。それが日本エフ・セキュアの強みなのではないでしょうか」

日本エフ・セキュア株式会社 代表取締役 渡邊 宏氏 「自分たちが注力すべきニッチなジャンルだけに注力して製品を提供できる。それが日本エフ・セキュアの強みなのではないでしょうか」


 というのも、日本では順調にインフラの整備が進み、ビジネスの舞台がネットワーク周りから端末やサービスにシフトしてきているという背景がある。この点に関して渡邊氏は「Googleに代表される各種サービスは、発想は素晴らしいがまったく新しい技術というわけではありません。また、iPodやWii、ニンテンドーDSなどの流行を見ても、それ自体の技術がものすごく新しいわけではない。むしろ、ユーザーにとっての使いやすさだったりエクスペリエンスが重視される時代になってきているのです」と語る。

 こうしてパソコンの存在感が相対的に下がり、ケータイや各種端末、およびサーバーの存在がさらに台頭してくる中、それらにおけるセキュリティ確保も当然重要になってくる。中でも日本エフ・セキュアが重点的に狙っているのが、Linux系OSを用いた各種サーバーのウイルス対策である。国内展開について渡邊氏は「海外の本社では端末をターゲットとした展開に力を入れていますが、日本市場は状況が違います。Linuxサーバーへの対応を強化することで、大手とは異なる戦略を採る必要があるのです」と説明する。同社では、Linux系OS向けのアンチウイルス製品の開発は日本で行っており、国内展開においてはかなりの独自路線を取っていることが特徴だ。「日本市場では、そもそも広くあまねく製品を広めようとは考えていません。それよりも、特定のサービスに特化したアンチウイルスを提供することで、その狭いジャンルにおけるシェア獲得を狙っています。こうした小回りの良さが弊社の特徴であり、大手とは異なる点ではないでしょうか」

 実際、同社のLinux系OS向け製品の販売実績は前年比1.5倍程度の伸び率を記録しており、特定ジャンルにおけるシェア獲得には確かな手応えを感じていると渡邊氏は語る。「今後は柔軟性を活かして、SIPサーバーやストリーミング、あるいはIPv6対応などで差別化を図っていきたいですね」

日本エフ・セキュア株式会社(http://www.f-secure.co.jp/)

日本エフ・セキュア株式会社(http://www.f-secure.co.jp/)

( 文:森田亮、写真:岡部有美子 )

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