内部統制は言葉の連結。意識を共有することが大事

【内部統制.IT Special Interview】

2007年10月30日(火)

[ 59 号]

 前週に引き続き、宇佐美豊氏(公認会計士/マネジメント・パワー・エクスチェンジ代表取締役)に内部統制について話を聞いた。内部統制の構築で現実的に問題なのは、日常業務をこなしながらだと、内部統制の実務を行う時間がないこととコストがかかること、と宇佐美氏はいう。その結果、目的を失ったプロジェクトになってしまいがちだとも。

 そこで重要となるのは、限られた時間での効率的な内部統制の構築である。そのために宇佐美豊氏が与信管理ASPのリスクモンスター社と共同開発したのが、JSOX対応の内部統制支援システム「優統制倶楽部」である。IT時代にマッチし、経済合理性にかなった内部統制の構築をサポートすることが目的だが、宇佐美氏は、その「優統制倶楽部」の有用性と内部統制の本質について、
「デジタル化の時代に合わせて内部統制をどう構築するかをみんなで考える。グーグルやリナックスのようにオープンシステム化の発想に近い感覚で内部統制をシェアすることが重要」と話す。

宇佐美氏「ヤクルトの古田選手のようにプレイングマネージャーでは経営者との板挟みになる。管理者にアクセルとブレーキとを適切に扱える内部統制の環境を与えることが重要です」

宇佐美氏「ヤクルトの古田選手のようにプレイングマネージャーでは経営者との板挟みになる。管理者にアクセルとブレーキとを適切に扱える内部統制の環境を与えることが重要です」


 内部統制を進めるにあたって専門家が少ないということが現実問題としてあるのだが、例えば、コンサルティング会社など、専門家一人の知識や他社の内部統制の経験を安易に自社に当てはめるのは非常に危険である。そんなニーズにこたえ、内部統制を構築している企業の実際の蓄積データを体系的にまとめた内部統制評価システムが「優統制倶楽部」となる。選択した業務項目に関する全てのリスクやコントロールを随時集計し、指数評価して同業他社が選択した項目を自動推奨するナレッジ共有機能があり、データ集計・分析とASPサービスの即時性が融合したサービスである。こういったサービスを利用することもしかり、今から間に合う内部統制で重要なのは、有効なシステムを利用して出来ることは時間をかけずにこなし、本来、経営者がやらないといけないガバナンスの問題や取締役会・監査役の機能についてなど本質的な議論に早く取り組んでいくことにある。

 「内部統制は、担当者に任せっきりにするのではなく、みんなで共有していくことが大事。連結決算は数字の連結ですが、内部統制は言葉の連結です」と語る宇佐美氏の言葉は、経験に裏づけされた深さがある。
( 文:植田鉄也、写真:岡部ユミ子 )

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