CDIソリューションズ 小川氏に聞く(2)

【直前スペシャル 内部統制.IT】

2007年12月04日(火)

[ 64 号]

 まず内部統制のレベルを項目毎に六段階評価する。その内容は、
・第一段階:内部統制の重要性を認識していない
・第二段階:重要性を認識してはいるものの実施されていない
・第三段階:内部統制が属人的には実施されているが、統制手続きが文書化されていない
・第四段階:統制手続きは文書化されているものの、内部統制に対する評価結果が文書化されていない
・第五段階:統制手続き・評価結果ともに文書化されている
・第六段階:内部統制に対する評価プロセスそのものへの評価・改善プロセスが適用されている、
の六段階。

 曖昧だった「内部統制」という言葉が指し示す内容を明確にするためには、数値のように非常にはっきりとした指標が必要だ。簡易診断によって「現状レベル」を数値で共有し、目標とすべき統制レベルを数値目標として把握する。その上で、目標に向けて実行すべき課題は何か、どの部門・プロセス・項目が課題なのか、を明確にする。この簡易診断を通して「内部統制」という言葉が指し示す内容(すなわち取り組むべき「内部統制プロジェクト」の目的)が統一され、共有化されることにより、経営層並びにプロジェクト構成員のベクトルが一方向に収束され、本格的なプロジェクトへの着手が可能になる。

 また、この簡易診断は、内部統制の現状が曖昧なまま(顧客も正確に把握できていない場合が多い)にプロジェクトを組成した結果、当初想定していた作業ボリュームや作業工数と実際が過度に食い違い、プロジェクトが混乱することを回避することができる有効な手段でもあると考えられる。

 次の本格的な内部統制プロジェクトにおいて、その内部統制の目的は企業の置かれている状況により様々であり、ひとつとして同じ目的・内容のプロジェクトは存在しない。

属人的業務の文書化・標準化・IT化

 小川氏は、「例えば、ある企業では現場の業務レベルは極めて属人的ではあるが、統制機能が適切に働いており、財務報告書に虚偽の報告がされる下地が発見されませんでした。この企業の場合、内部統制に必要な事項は「属人的業務の文書化・標準化・IT化」であり、「内部統制確立プロジェクト」の目的は「文書化・IT化そのもの」になります。

 また別の企業では、内部統制のための文書は作成されているものの、毎年のように組織変更が行われているために、業務文書に載っている部門名が現状と合致していない、業務分掌を修正しても組織変更によりすぐに陳腐化してしまう、ということが判明しました。この企業の場合、内部統制に必要な事項は「文書メンテナンス業 務の確立とその効率化・低コスト化」であり、それを直近の目標として「内部統制プロジェクト」は組成・実行されました」と実例を挙げてくれた。

 このように、企業の内部統制レベル、状況に応じて内部統制プロジェクトの目標は大きく異なり、プロジェクトを進めるに当たっては「内部統制の現在地」を見極めることが重要となる。その見極めさえできれば、目的に応じて統制組織及び統制業務の設計を行い、監視及び運用ルールを整備していくことができる。

> CDIソリューションズ 小川氏に聞く(3)に続く
( 櫻井弘次 )

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