株式会社ホットリンク代表取締役社長 内山幸樹氏

Virtual World of the Year 2007 記念講演 

2008年02月19日(火)

[ 72 号]


 3、4年前の話になるんですが、ある大手SIerでこんなことがあったそうです。その年の年末の納会後、あるシステムの担当者が副社長に緊急事態を報告しました。そのシステムは年明けから稼働する予定だったのですが、不具合でまだ稼働しないというのです。副社長は「この事態を解決できるのはあいつしかいない!」とある開発者を呼ぶように指示しました。しかし、携帯に電話しても一向に連絡が取れません。すると別の社員が「彼ならファイナルファンタジーで釣りをやっているはず」と告げました。副社長らは早速機材を用意し、ファイナルファンタジー内の釣り場に向かいました。「彼」はそこにいて、状況を話すと現実の副社長室に彼からの電話がかかってきたそうです。今はこんな映画「マトリックス」のような世界が現実に存在しており、仮想と現実の区別がどんどんなくなってきています。

 これは例えば携帯電話のようなものにもいえます。携帯電話を使えば、遠くの音(声)を聞くことができ、遠くのものを見ることができます。こうした機器を身につけることは、人間本来の物理的な制約を超え、新しい仮想的な感覚器を手に入れたようなものです。同様に仮想世界で物理的制約を取り払うことで脳はもっと進化することができるとも考えられます。

現実世界は様々な制約があり、新しい発展が難しい状況がありますが、仮想世界ではそうした制約から解き放たれ、新しい発展ができる可能性があります。そして、人類自体を新しいステージにあげるような、そういう大きなトレンドを作っていければいいなと思っています。


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