
ケータイ小説は小説にあらず?
「ケータイ小説」が流行しているらしい。携帯電話上で読み書きされる若年層向け物語の類が、書籍化されて人気を集めているそうだ。代表的な『恋空~切ナイ恋物語~』(美嘉)という作品は、書籍化後、わずか1カ月で発行100万部を突破。シリーズ全体では450万部に上る。昨年11月には映画も公開した。
同作は今もインターネット上で公開され、PCからでも閲覧が可能。一見するとそこには、女子中高生らの携帯メール内容を転載したかのような短い文字列が並び、行間には不自然な空白が続く。
『ケータイ小説がウケる理由』と題した本書は、「ケータイ小説」に困惑や嫌悪を抱く「大人」に対し「『稚拙な文化』と一言で片付けていては、これからの時代、ビジネス、社会を正確に理解していくことはできません」と説く。そして、ケータイ小説は「小説」ではない、と捉える。そもそも文学作品のような読み応えは期待されておらず、友達にメールするような感覚で書かれているからこそリアリティがあり、携帯電話世代の若者に共感を集めているというのだ。
本文では、ケータイ小説への批判を受け止めながらも、ヒットの現状や内容の特徴などを、モバイルマーケティングの視点を交えながら丁寧に解説。主読者である女子高校生や大学生への聞き取りをはじめ、20代の主婦や女医、40代サラリーマンといった特色ある3人の書き手にもインタビューを実施。「魔法のiらんど」などビジネスとして展開する企業にも迫り、あらゆる角度からケータイ小説を分析しており、非常に理解しやすい構成だ。
今、モバイル市場は金脈となりつつある。ビジネス面で「ケータイ小説」を知ることは必須。本書がまさに最適だ。
『ケータイ小説がウケる理由』
著者:吉田悟美一(さとび)
発行:毎日コミュニケーションズ
新書判/224ページ 定価:本体780円+税
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