携帯端末を使った出欠確認システム

[採用校増加中]

2007年08月07日(火)

[ 48 号]


 単位取得のため、友達に「替え玉」になってもらって出席日数を確保する。興味のある講師が行なう授業に、生徒でもないのに「モグリ」として出席する――良きにしろ悪きにしろ、大学キャンパスの恒例として見られたこのような光景も、過去の産物になる日も近いかもしれない。

 今年の5月、大阪通信大学が、出席カードによる出欠確認を廃止した。代わりに導入されたのが、携帯電話を利用した出欠管理・確認システムである。このシステムは、青森大学の研究チームが中心となって実用化したもので、使用方法は、まず授業を担当する講師が、指定された番号を受講生に告げる。次に、受講生側は学校の携帯サイトにある専用の入力画面を開き、その番号と授業科目、学籍番号を入力。これにより、一分前後で出欠確認が完了する仕組みだ。さらに代返出席(替え玉)を避けるため、受講生の中から何人かがランダムで抽出され、講師に名前と学籍番号を伝えるように促すサポート機能も備えている。既にこのシステムは、2006年3月から開発元の青森大学で全面的に導入され、出欠確認に伴う時間の大幅な短縮につながると講師からの評価は高い。受講生からも、授業時間が有功に利用できると、概ね理解を得られているようだ。そのため大阪通信大学のほかにも、6月からは九州の大学で試験運用が開始されるなど、今後も同出欠確認システムを採用する大学が増加する見通しとなっている。

 一方、青森大学とは異なる出欠確認システムを構築し、運用しているところもある。杏林大学では、京セラ丸善システムインテグレーション製の授業運営支援システム「アカデミアCRV」を採用。こちらは出欠確認だけでなく、授業中にアンケートなども行なえる。札幌大学や武庫川女子大学では、ドコモ・システムズのfelicaを用いた「IC出欠確認システム」を導入。そのほか、関西大学や龍谷大学、三重大学が、携帯端末を用いた出欠確認サービスを運用している。

 こうした出欠確認の迅速化は、結果的に講義に出席する生徒数が増加させるとの報告例もある。メールの受信音や着信音が授業の弊害にもなりやすい携帯端末をただ有害とするのではなく、有功に利用した大学側のアイディアが、結果的に講師、生徒の双方に利益を生んでいる。「替え玉」や「モグリ」をある種の文化と捉える声もあるが、学問の最高位として、より良い受講環境が築けるこれらのシステムはまだまだ発展が続くだろう。
( 森樹 )


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