ユーチューブがNTTドコモ、角川と提携

2008年02月05日(火)

[ 70 号]

 ユーチューブは、1月24日、大きな転機となるモバイル展開を発表した。「ユーチューブ・フォー・モバイル」の対応地域は、米国、日本、英国、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ポーランド、ブラジル、カナダなど17カ国で各国の言語にローカライズされる。今回の対応で、PC版ユーチューブで閲覧できるほとんどが携帯電話でも閲覧できる。携帯電話からユーチューブのコミュニティ機能が利用でき、モバイルプロフィールを作成することで、メール、MMSで動画を携帯電話からアップロードできる。

 日本国内では、ユーチューブがNTTドコモの携帯電話から閲覧できるようになった。サポート対象は、904iシリーズ以降だが、軽い動画であれば900iシリーズ以降、または、Pシリーズ以外の703iシリーズでも閲覧可能。今春には、グーグル検索を標準搭載し、GメールやピカサもNTTドコモが公式サポートする予定だ。グーグルが開発を進めているモバイル向けプラットフォーム「Android」にも、NTTドコモは協力姿勢を示している。

 そして、1月25日には、ユーチューブと角川グループホールディングスが、ユーチューブを活用して角川グループのもつ映像作品などを配信することを発表した。角川がユーチューブにチャンネルを開設し、アニメや映画の投稿、映画俳優募集のキャンペーンなどをユーチューブと共同で行う。映像の権利者に許可なくアップロードされる動画を識別して自動削除するだけでなく、公開を継続させながら広告などに活用し、利益を権利者に還元する。角川は、ユーチューブに投稿された画像が違法かどうか識別する動画識別技術の開発に関わってきたが、今回でコンテンツ供給や広告を軸としたユーチューブとの連携に大きな一歩を踏み出した。角川は、広告代理店と連携し、投稿動画に広告をつけ収益化を図る。

アニメ、小説、映画、映画俳優募集のキャンペーンを展開(http://jp.youtube.com/より)

アニメ、小説、映画、映画俳優募集のキャンペーンを展開(http://jp.youtube.com/より)


 この動画識別のシステムは、映像の権利者が保有する動画をリファレンスファイルとして指定しておくと、それにマッチングする投稿動画を自動識別する仕組みを持つ。ユーチューブユーザーが、違法コピーした動画を投稿しようとすれば、著作権侵害の可能性がある旨の警告を発し、削除できるように設定が可能。さらに興味深いのは、権利者に許可の選択肢が設けられること。動画を削除するだけでなく、動画公開を継続させ閲覧数をトラッキングしたり、公開した動画に角川の認証マークを表示させ、広告を表示する手法も可能だ。

合法的な動画投稿増やし、広告付き動画の拡大へ

 これで、角川とユーチューブがユーチューブを新しい広告媒体として普及させる足がかりを掴んだ。日本国内の映画やアニメなどのコンテンツプロバイダは、違法な投稿があふれるユーチューブへの提携に腰が重かったが、この動画識別システムの誕生で、ユーチューブのパートナーとなるコンテンツプロバイダは増すだろう。ユーチューブは、合法的な動画投稿を増やし、広告付きの動画の拡大を一気に狙う。
( 植田鉄也 )

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