《ニコニコ大会議2008開催》 ニコニコ動画(夏)サービス開始

2008年07月15日(火)

[ 91 号]

 株式会社ニワンゴは7月4日、東京JCBホールにおいて、「ニコニコ大会議2008」と銘打ったイベントを開催。ユーザーから2000人以上の参加者を募ると同時にネットワークでも放送し、視聴者は一時1万人を越えるなど注目を集めた。

2000人の来場者は熱気に溢れていた

2000人の来場者は熱気に溢れていた


 今回のニコニコ大会議2008は、そもそもは期毎に行っているニコニコ動画新バージョンの発表会だが、3月の時点で「人数集めてイベントみたいにやれたら……」とひろゆき氏が語っていたものが実現したものと言える。会場はニコニコ動画を愛するユーザーで溢れ、なぜかアイドルのコンサートなみのブロマイドや団扇の販売なども行われ、お祭り気分を醸し出していた。

 発表会そのものはいつもと同じ形式だったが、今回ステージに立ったのは7月4日からドワンゴの顧問に就任した、元NTTドコモの夏野剛氏だ。氏は「ドコモは面白くなくなったから辞めた」などとジョークを飛ばしつつも、「世界に出られるコンテンツはこれ(ニコニコ動画)以外にない」と熱く語り、ひろゆき氏とも息のあった掛け合いをみせていた。

左からドワンゴ社長小林氏、ドワンゴ顧問夏野氏、ニワンゴ取締役のひろゆき氏。3人の掛け合いはまるで漫才を見ているようだった

左からドワンゴ社長小林氏、ドワンゴ顧問夏野氏、ニワンゴ取締役のひろゆき氏。3人の掛け合いはまるで漫才を見ているようだった


 さて今回のニコニコ動画(夏)の機能強化としてはまず、ニコニコ動画やそれ以外のサイトでも使える素材を提供する「ニコニ・コモンズ」の運用だ。これは自由に使える音声、動画、静止画を登録する素材庫を作り、ニコニコ動画がより創作のクオリティを上げられることを目指すモノだ。またクリエイティブ・コモンズとの違いとして、公開するルールを改変することも可能とするなど、独自性も見せる。コンセプトは「公式黙認」だ。外部対応サイトとしてはすでにイラストSNSの「pixiv」などが決定している。さらにニコ割の新しい機能として、リアルタイムにアンケートを行うことができるニコ割アンケート機能、プレミアムユーザーが管理者になることができるグループ機能、ニコニコミュニティでコミュニティ内限定動画を公開する機能などが設けられる。他にもニコニコムービーメーカーの強化、海外版としてこれまでの台湾以外に、ドイツ語、スペイン語に対応することも決定した。

 数日前に報道のあった「MAD動画の削除」に関して、ドワンゴ社長 小林氏は「現時点での妥協点」と語った。MAD動画とは、既存のコンテンツに対して違う音声や別の動画などのコンテンツを組み合わたり編集することで、違うモノを作り出すという文化。多くはパロディだが、完成度の高いモノも多い。今回のMAD動画削除のいきさつは、「権利者から単に消してくれと言われたから消す」(ひろゆき氏)といういつものスタンスだ。ただし、ドワンゴ側は「MADは文化だ」と考えているという。実際、ニコニコ動画に登録されたMAD動画を見て、本編を見たくなったという人も少なくなく、コンテンツに与える良い影響は大きい。ドワンゴとしては、MADを文化として認めてもらい、公認素材といったものの提供を権利者側に求めていきたいとしている。

 「黒字化担当」としてドワンゴに加わった夏野氏は、今期の黒字は無理としながらも、来期は必ず黒字にすると宣言。そのためのいくつかの仕掛けが、今回のバージョンアップにも含まれている。

 秋にはいったんβに回帰し、ニコニコ動画(ββ)を発表する予定だという。ニコニコ動画の目指すあさっての方向は、夏野氏の加入によってより加速しそうだ。
( 矢橋司 )


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