《Web偉人伝》 01 エリック・メイヤー、現在のウェブサイト制作の基礎を築く

2008年08月19日(火)

[ 95 号]

 私たちが快適に利用しているウェブサイトも、構築する人たちの日々の努力があってこそ実現している。ソフトウェアが年々アップグレードするのと同様に、ウェブの技術や表現も年々進化し、今では当たり前に使われている技術も、それをサポートし広めた人は国内外数多く存在する。本連載では、こうした偉人たちを紹介していきたい。

現在、アメリカをはじめ世界各地で講演を行っているエリック・メイヤー氏

現在、アメリカをはじめ世界各地で講演を行っているエリック・メイヤー氏


 私たちが毎日のように観覧しているウェブ上に表示されている文書を「ウェブページ」と称する場合がある。ページという名称が入っていることもあり、ウェブサイトを構築する際も従来のページデザインの概念が大きな影響を及ぼしている。紙媒体でのページデザインは、紙面の情報も、書体スタイルや段組みといったデザインも同じファイルで管理される。ウェブページでも技術的に同様のアプローチで構築することは可能だが、紙媒体と異なり、公開した後も常に更新する必要があるだけでなく、アクセスのされ方も千差万別で精査することが出来ない。したがって紙媒体でのページデザインと同じアプローチでは非効率なだけでなく、デバイスやソフトウェアによって読み難かったり利用できないといった不具合が生じる可能性が出てくる。

 そこで、文書にある情報と、それを装飾するためのデザインを分離させることによって、文書の情報を更新しやすくし、ひとつの文書だけでなくサイト全体で見た目を統一しやすくするための仕様が生まれた。それがCSSである。CSSを使うことで、効率化が図れるだけでなく、携帯電話、ゲーム機、TV、印刷といったパソコン以外のデバイスからアクセスした際に最適な見た目を自動的に提供することが技術的に可能になった。利用しているウェブブラウザによってはCSSをサポートしてないものもあるが、情報と見た目が分離してあるので、利用者は妨げなく情報へアクセスすることが可能になった。

 CSSはオープンなウェブへ平等にアクセスするためのひとつの理想形ではあるが、2000年以前はサポートしているブラウザも少なかったこともあり、これを支持するサイト制作者も少なかった。サイト制作者だけでなくブラウザ開発者へも長年CSSのメリットを啓蒙してきたのがエリック・メイヤー氏である。彼は、CSSの仕様と実験的な試みをまとめた情報を公開しているだけでなく、日本をはじめ数多くの言語に翻訳された解説書が出版されている。彼のウェブサイトでは、今でもCSSに関する最新情報を読むことができる。

メイヤー氏のウェブサイト(http://meyerweb.com/)。1999年以来、CSSを中心としたウェブ技術に関する情報を発信し続けている

メイヤー氏のウェブサイト(http://meyerweb.com/)。1999年以来、CSSを中心としたウェブ技術に関する情報を発信し続けている


 メイヤー氏と彼の考えをサポートする人々の努力が、紙媒体とは異なるウェブならではの構築方法の基礎を作り出したといって良いだろう。ウェブがウェブらしくあり続けるのに、CSSの存在は欠かせないものになってきている。

キーワード
#001 HTML … HyperText Markup Language の略称。ウェブサイトに表示されている文書はこの仕様に基づいて記述されている。
#002 CSS … Cascading Style Sheetsの略称。HTML で記述された文書を装飾するための仕様。


世界最高峰のカンファレンス、アジアでは東京で初開催!『web directions east』

【開催情報】11月7日 カンファレンス(会場:ベルサール西新宿)
11月8・9日 ワークショップ(会場:ベルサール飯田橋)

【公式サイト】http://east08.webdirections.org/

【お問い合せ先】WDE事務局 info@wde.jp
( 長谷川恭久 )

関連リンク


記事についてのご意見・ご感想

関連記事

東京IT新聞 特集ラインナップ

専用サーバ・専用レンタルサーバーは at+link におまかせ!

Apple Store(Japan)

東京IT新聞HOTキーワード
東京ITイベント情報

イベントカレンダーを見る カレンダーを見る