博報堂DYメディアパートナーズ調査~ 「新聞は世の中を一覧できる」 未成年も読むべきメディアと認識

2008年07月29日(火)

[ 93 号]

 博報堂DYメディアパートナーズは、生活者は新聞をどうとらえているかを明らかにする調査を行った。2007年11月6~9日には、東京で新聞を定期購読する20~30代の32人にグループインタビューを試み、今年1月31日~2月5日には、インターネット上で15~69歳の1050人を対象にアンケートを実施した。明らかになったのは、依然、生活の「幹」となる情報源として認識されていること。「親から子へと読み継がれていく世代を超えた普遍性」「素早くかつ幅広く世の中の流れを知りうる一覧性」ほか、あらゆる質問で軒並みトップの評価を獲得している。

 まず、この調査で興味深い点は未成年者の回答だろう。ブロードバンドの浸透により、テレビの存在すら絶対的といえない昨今、未成年者が新聞に抱く思いは「大人になったら新聞を読むべき」が94.0%、「大人になったら新聞を読んでいたい」も93.4%。読むべきメディアであるとして客観的に考えられているだけでなく、自ら読みたいと考えられていることが具体的な数字をもって証明された格好である。

未成年者からの回答には、ネット社会への不信感も見て取れる。数年前とは情勢が明らかに変わってきている点は興味深い

未成年者からの回答には、ネット社会への不信感も見て取れる。数年前とは情勢が明らかに変わってきている点は興味深い


 「世の中で何が起こっているかを知ることができるメディア」として最も高く評価されている点は、過去に行われたいくつかの調査でも明らかになっている(=77.6%、テレビ=76.2%、インターネット=52.4%)。いうまでもなく、テレビは受動的で放送時間枠にも限りがあり、インターネットは能動的ではあるが、好みのテーマをピンポイントに追いながら閲覧する傾向が強い。この数字は紙面を開くだけで世の中を一覧してくれるメディアとして、認識・期待されていることの表れと言い換えられるのかもしれない。

 「話題提供力・共有力」でトップに立ったのは意外といえば意外である。「性別・年齢に関係なく知っておいた方がいいことを共有できるメディア」として、新聞を挙げた人は72.2%にも上る。これは老若男女の最大公約数を実現しているからにほかなるまい。また、ネットとの関係で触れると、掲示板で議論の火種となるニュースは新聞をソースとすることが多く、記事をそのまま二次掲載するブロガーの行動パターンには、メディア自体の持つ信頼性・社会性を見てとることができる。

 広告出稿の落ち込み、朝刊だけしか取らない「セット割れ」の影響から、毎日新聞は8月末で北海道における夕刊の発行打ち切りを発表した。近年、景気の良い話が聞かれない新聞業界だが、この調査はひとつの指標・エールとして受け止めていいだろう。そして、本紙も含め、求められているものの重さを再度、肝に銘じる必要があると考える。
( 板垣威史 )


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