ボタン電池1つで10年駆動が可能な「超低消費電力Bluetooth」を発表

2007年07月03日(火)

[ 43 号]

携帯電話にかかってきた相手を腕時計で確認できる。 (問い合わせ)シーエスアール株式会社 prjp@csr.com

携帯電話にかかってきた相手を腕時計で確認できる。 (問い合わせ)シーエスアール株式会社 prjp@csr.com


 英国CSR社は、6月13日、10年間ボタン電池で動き続ける2.4GHz帯の無線通信技術「Wibree」をUltra Low Power(超低消費電力、以下ULP)のテクノロジとしてブルートゥーステクノロジに統合した。同社は、対応したチップを2007年末までにサンプル出荷し、2008年には量産出荷の予定。ブルートゥースチップをULPで使えるようにソフトを足したものであり、プロトコルや、通信用高周波回路はそのまま使えるため、コストは安くすむという。
ワイヤレス分野の技術革新リーダ
 ULPブルートゥースは、時計・運動靴・テレビリモコン・医療センサーと、携帯電話や、パソコンとの通信が長時間、簡単にできるのが特徴で、新しい市場を作り出すことを期待されている。
CSR社CEOのJohn Scarisbrick氏は、「弊社は、ワイヤレス分野の技術革新リーダのひとつで、シングルチップのCMOSブルートゥース、組み込み型WiFi、ブルートゥースホストソフトウェア、ブルートゥースのマルチメディアシステム・オン・チップ、低コストワイヤレスVoIPソリューションなどの、業界最先端の製品を出しています。今回のULPブルートゥース技術は、新しいワイヤレスアプリケーション市場を創造するもの。組み込み型の短距離ワイヤレス市場に、超低消費電力の長寿命なシステムを生み出すものです」と話している。

 ブルートゥースによる通信は、10メートルといわれ、データ転送速度はEnhanced Data Rate(EDR仕様)では3Mbpsあるが、ULPではその10分の1,300kbpsである。通信しているときの消費電力は今までのブルートゥースと同じだが、ULPは待ち時間が長いので、平均すると消費電力が低くなる。たとえば、腕時計に脈拍を測る仕組みを入れておき、測定結果をケータイに無線で送り、ケータイから医療機関のサーバーに転送するといった使い方が考えられるだろう……日本のCSR株式会社でセールスディレクタを務める深田氏はそう語っている。また、市場で競合するのは「ZigBee」だとも。実際、センサーネットワーク用のオートメーション向けプロファイルを開発していると説明している。Zigbeeの規格はIEEE802.15.4であり、ブルートゥースは同じく802.15.1。Zigbeeのスピードは250kbpsで、2.4GHz、868MHz、915MHzだが、届く距離や消費電力などにそれぞれ特徴があり、10年と1年では、ULPが有利に見える。市場ではZigbeeが先行しているので、どのように展開するかが期待される。

 さて、このCSR社は、アップル、DELL、LG、モトローラ、Nokia、NEC、パナソニック、RIM、Samsung、シャープ、ソニー、TomTom、東芝などのグローバル企業に、製品やソリューションを提供している、テクノロジの世界的なリーディング プロバイダ。英国ケンブリッジに本社営業所があり、日本、韓国、中国、インド、フランス、デンマーク、スウェーデン、アメリカに営業所を持つ。設立は1998年である。
( 安居院文男 )

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