ウェブベースでデジタル資産を制御

アカマイ、次世代CDNサービス発表

2007年08月07日(火)

[ 48 号]

(7月20日、東京赤坂都市センターホテルの会見にて)

(7月20日、東京赤坂都市センターホテルの会見にて)


 7月20日、アカマイ・テクノロジー・インク(アカマイ)は、StreamOS(ストリームOS)とDownlo ad Manager(ダウンロード・マネージャー)のサービスを、日本でCDN(Contents Delivery Net work)ビジネスに使えるようにしたと発表した。
250社が使っているコンテンツ配信サービス
 アカマイの分散ネットワークシステムを使っている顧客は2500社ある。アカマイのサービスは、世界70カ国以上2万5000台のサーバと独自のアルゴリズムで、最短の経路を辿ってインターネットの中をくぐり抜けることを可能としている。今度の発表は、その中で250社が使っているコンテンツ配信サービスを、日本でも使えるようになったということだ。

 ストリームOSは、アカマイのネットワークを使って、ストリーミング/メディア作り/配信を、ウェブベースでできるようにする、リッチメディア管理ツールスイーツ。ダウンロード・マネージャーは、インターネットで、ソフトウェア/映像/大きなオブジェクトなどを、エンドユーザーが素早くダウンロードでき、また、ダウンロードの様子を分析してデータを見ることができるアプリケーションだ。

 日本はブロードバンドの普及率が高く、ビデオコンテンツをオンラインで見る人が増えている。携帯電話やオンラインゲームがたくさん使われ、いろいろな場所・時間・機器から、コンテンツを見ている人が多い。また、アニメやゲームなど、日本発のリッチコンテンツがたくさんあり、コンテンツプロバイダは、その管理に苦労している。日本のインターネット事情をみてみると、デジタルコンテンツ総市場2.1兆円のうち、CD/DVDのパッケージ市場が1.8兆円、携帯/モバイル向けが2245億円、PC向けが988億円で、パッケージでないものは15%程度となっている。一方日本の接続環境は、約8割がブロードバンド(世界普及率約5割)で、携帯の9割以上が3Gだ。こうした状況を見て、日本のCDNサービスのニーズは高いと判断し、日本でCDNサービスを発表したのだと、日本法人・アカマイ株式会社の小俣修一社長は説明した。

 これによって、今までのセンター型の配信サービスではできなかった、全世界を視野に入れた動的コンテンツ配信や、アプリケーション配信、国別限定配信などの付加価値配信を、携帯を含む端末で、ユビキタスにできるようになる。会見当日、アカマイの最高技術責任者マイク・アファガン氏は、「コンテンツプロバイダの配信戦略をサポートすることで、コンテンツベースや配信先ベースで、デジタル資産を制御することができる。また、ダウンロード・マネージャーを使えば、コンテンツのダウンロード完了率、ユーザー行動分析データなどを、いろいろな切り口で見ることにより、高いサービスクオリティをお約束する」と話し、「企業は、それらの二つの仕組みが最適統合されたアカマイの新CDNソリューションを、アカマイ配信プラットフォーム上で活用することにより、デジタル資産を使った、新しい事業展開ができます」と説明した。
PS3のビジネス展開にアカマイCDNを活用
 会見ではその後、マイク・アファガン、ティム・ナポレオン両氏が、ストリームOSとダウンロード・マネージャーの詳細と、アカマイCDNのビジネスにおける重要性や必要性をプレゼン。株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントのコーポレート・エグゼクティブ兼CTO Sofwareの川西泉氏が、PS3のビジネスにアカマイCDNを活用してゆくと話した。その後、神田昌敏氏の司会で、マルイヴォイ、ユニクロ、明治製菓のアカマイ活用事例と各社の考え方が発表された。
日本のデジタルコンテンツ事情にフィット
 さて、アカマイのCDNが必要になる背景はどんなものだろうか。業界のニーズとしては、
●企業間の工数を減らし、デジタル資産をたくさん管理するための「自動化のニーズ」
●地上波放送がやったように、簡単に標準的な方法で、新しいユーザーに届くための「シンジケーション」
●流通やコンテンツパートナーシップに関わらず、コンテンツやブランドをコントロールできる「コントロールのニーズ」
●デジタルビジネス全体がどうなっているかを細かくつかむことである「インサイト」
の四つのニーズがある。

 ユーザー側のニーズとしては、Web2.0のトレンドがある。まず消費者のパワーとして、「ブロードバンド接続」、「ローコスト接続」、「インターネットによる口コミ効果」、「宣伝効果」がそれらだ。さらに、TVや、家電、PC、モバイル機器などの幅広い機器での接続がある。また、ゲーム業界の技術がUDPから、TCP/HTTPにシフトしたり、物理的配信から電気的配信へのシフト、ビジネスモデルが、一過性から、ゲームの中で物を買ったりするようになる。こうしたトレンドも、アカマイのCDNサービスが必要とされる背景になっている。

 「PLAYSTATION Network」、マルイウェブチャンネル、ユニクロ、明治製菓などが、独自のポリシーでアカマイのCDNサービスを使って、効果があると言っている。

 アカマイは、米国で1998年に設立。日本法人は同社の100%出資の子会社、アカマイ株式会社で、2003年1月28日に設立。

アカマイの日本語ページ (http://www.akamai.co.jp/)

アカマイの日本語ページ (http://www.akamai.co.jp/)

( 安居院文男 )

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