米Facebook進化論 SNSからソーシャルOSへ

2007年08月28日(火)

[ 50 号]

 Facebookは、世界最大手のMySpaceに次ぐユーザー数を誇る米国のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)。創設者のMark Zuckerberg氏は、ハーバード大学在学中の2004年、19歳の時に学生SNSとして、.eduドメインのメールアドレスを持つユーザー向けにサービスを始めた。

Facebook(http://www.facebook.com/)よりFacebook applications(http://www.facebook.com/apps/)

Facebook(http://www.facebook.com/)よりFacebook applications(http://www.facebook.com/apps/)


 2006年には、ユニークビジター数は900万人だったが、学生限定の枠を外し誰でも紹介不要で参加できるようになり、ユーザー数も今年5月には約2400万人(米ComScore調査)と急増した。

 大学生向けSNS時代は、学生達の情報共有やコミュニケーション手段、また人脈や就職活動に活用されてきた。学生コミュニティには、講義や試験の情報、サークル活動、友達作りなどの一般とは少し異なる情報が頻繁に流通。その後Facebookは、一部の高校や企業へ登録枠を広げ、最終的には一般公開へ至った。

 Facebookの大きな転機は、今年5月末に外部開発者向けに公開されたプラットフォームだろう。同じく公開されたマークアップ言語を使って、Facebook内で動作するアプリケーションを、誰でも簡単に作成できるようになった。プラットフォーム公開と同時期には、Amazon. comやマイクロソフト、Slideなど、64のアプリケーション業者との提携も発表した。その後二ヶ月で約1800のアプリが登録され、8月末の登録アプリ数は3000以上にもなっている。

 Facebookは単なるSNSを超えて、「OS的な存在」になってきているようだ。ユーザーのマイページはパソコンのデスクトップのようなもので、選択したアプリケーションを配置(起動)する。パソコンと異なるのは、情報をやりとりしている相手が、ネット上の不特定多数ではなく、SNSのネット仲間たちというところだろう。

 このSNSの利点に、多くの新興企業が目をつけアプリケーションベンダーとして参入している。個々のユーザーの友達リストメンバーは、「何らか」の共通した事柄で結びついている集団だ。アプリケーションベンダー側にしてみれば、ターゲットを絞りやすいことになる。バイラル広告を行なう場合も、不特定ユーザーよりも広がりやすい土壌がすでに出来ている状態なのだろう。

 人気のアプリケーションには、お気に入り友達を表示するSlide社の「トップフレンズ」やTripAdvisor社に約300万ドルで買収された「Where I've Been」(自分が行ったことがある場所を表示できるアプリ)などがある。Buy.comが8月にサービスインした「ガレージセール」は、ヤフーオークションのように、モノを売買するアプリケーション。友達同士の売買になるので、お客の数は限られてしまうが、知り合いとの取引なので逆に安心かもしれない。また、早くもiPhone対応ブラウザが今月公開され、iPhoneからFacebookを楽しむこともできるようになった。

 話題満載のFacebookだが、ネガティブなニュースもある。Facebook自体のソースコードが流出し、「フェースブックシークレット」というブログでネット上に晒されてしまった。データの流出はなく、ソースのみの被害だというが、セキュリティ的に不安が残る。

 また、スパムアプリやインストールしたユーザーと他のユーザーからの見栄えが違うトリックアプリなどが問題になった。Facebookは対策として、今月マークアップ言語のアップデートを行い、これらのアプリを排除した。

 SNSは情報プラットフォームとして有益な部分を持つ。そこから出発しつつ、未曽有の展開をみせるFacebook。この先の進展にも注目だ。
( 角田早苗 )

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