“タグ”がもたらす新たなネット構造

ネットビジネスを変える新潮流(第2回)

2008年03月04日(火)

[ 74 号]

そもそも“タグ”とは何か?

 CGMを語る上で欠かせない要素データが“タグ”である。投稿したコンテンツに対して、ユーザー自身が付ける単なる“分類情報”だったはずのタグが、今やネット上の新たな構造を生み出しつつある。タグの付け方には大きく分けて2つの方法がある。あるオブジェクトに対して1人がタグを付ける方法と、複数人がタグを付ける方法である。前者の例を挙げると、1人ずつ同じ10枚の写真に対してタグを付けていくといったケースがある。弊社でもさまざまな実験を繰り返しているが、この場合、各人が付けたタグを比較してみると、その結果は完全には一致しない。それはそれぞれの人が持つ価値観やコンテキストが異なるために起こりえる当然の結果であり、これは認知行動学的にも人間の嗜好性を判断する上で有用なデータと考えられる。一方、後者は1枚の写真に対して1,000人がタグを付けていくといったケースで、付けられたタグの集合体を俯瞰すれば1,000人のエモーショナルな評価が浮き彫りにでき、まったく新しいマーケティングリサーチの手法となる。

タグがつなげる“情報と情報”、“人と人”

 人がオブジェクトに対してタグを付ける。これはその人が持つコンテキスト、感性を表現しているに等しい。つまり、もはやタグは単なる分類情報としての機能だけではなく、ネット上のあらゆる情報を(一見すると無関係な情報でさえ)人の柔軟な連想思考により構造化し、あるいは人自身さえも有機的につなげるための重要な媒介となっている。既に多くのサイトでタグを活用したCGM化の流れは起きているが、好例は米国amazon. comである。当初は純粋なコマースサイトであったアマゾンだが、タグを活用することにより情報と情報、人と人が有機的につながり、今やコマースをベースとしたコミュニティ機能によりユーザーベネフィットの拡大に成功している。このように「信頼性の高い、賢い価値判断アルゴリズム」を実装している“人”によってネット上の情報が整理され、多面的に関連付けられ、サービスモデル自体にも影響を及ぼしつつあるのが現状だ。これこそがタグが作り出す“次世代型アーキテクチャー”の本質である。


石上 裕◆2000年より株式会社ネットエイジにてさまざまなネットビジネスをプロデュースし、株式会社ライフバランスマネジメント取締役、株式会社タイルファイル取締役を歴任。 2006年9月、株式会社TAGGYを創業し、現在、同社代表取締役社長
( 石上 裕(株式会社TAGGY 代表取締役社長) )

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