Open Screen Project発表

Flashオープン化進む

2008年05月13日(火)

[ 82 号]

 米アドビは5月1日、Flashをウェブ以外の様々な端末―携帯、TVなどスクリーンを持つ全ての製品―において再生可能な標準形式にするためのプロジェクト、「Open Screen Project」を発表した。これによりFlash形式で書かれた一つのアプリが、どの環境でも実行できるようになり、さらにこれからリッチ・コンテンツ化が進む分野での標準形式となることを目指す。

端末会社、通信事業者、コンテンツ業者の有名どころが会するOpen Screen Project(http://www.adobe.com/openscreenproject/)

端末会社、通信事業者、コンテンツ業者の有名どころが会するOpen Screen Project(http://www.adobe.com/openscreenproject/)


 これまでFlashは、PCの99%にインストールされているにもかかわらず、改変を加えたプレイヤーを開発することができないなど、デベロッパーにとっては不便な環境も見られた。また携帯市場においては高額のライセンス料を支払う必要があり、携帯の通信高速化が遅れたこともあって十分な普及が行われているとは言えなかった。

これまで不自由だった部分を大幅にオープン化

 今回のプロジェクトでは、Flashプレイヤーをオープン化し、カスタマイズが自由に行えることになる。さらにモバイル機器のライセンス料廃止、APIの公開の無料化、ソフトウェア更新のためのプロトコルの公開と、これまで不自由だった部分を大幅にオープン化する。これによりデベロッパーは、一度作成したコンテンツを改変することなく複数の機器上で実行できる環境を手にすることができる。アドビとしてはリッチ・コンテンツの標準プラットフォームとなることを目指しており、マイクロソフトのSilverlightなどの機先を制する形となる。

 このプロジェクトにはすでに多くの会社が参加している。ノキア、ソニー・エリクソン、クァルコム、サムスン、モトローラNTTドコモ、東芝といった携帯各社、NBC、MTV、BBCなどのTV制作会社の名前が挙がっている。このプロジェクトが成功すれば、これまでPCのみの環境だったものがTVや携帯でも利用できるようになる。結果、デベロッパーやコンテンツ制作会社はこれまでPCでしか展開できなかったインタラクティブなコンテンツをそのまま流用し、多チャネルでの展開が可能になることで大きなビジネスチャンスを得ることが期待できる。

 しかしFlashという環境は、決して素晴らしいことばかりとも言えない。PCで利用していても検索でヒットしなかったり、実行までに時間がかかったりして、十分に快適な環境とは言い難いところもある。実際、アップルは今年3月にiPhoneへのFlashプレイヤーの搭載を否定している。今回のオープン化によってもっと軽量なプレイヤーが登場すれば、その対応は変わってくるかもしれない。

 今後、Flashに加えてAIR環境も対応を予定している。このプロジェクトはAndroidやiPhone OSといった、各社が次世代コンテンツに向けての様々なプラットフォームを発表する中でのアドビなりの解答と言えるのかもしれない。
( 矢橋司 )

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