韓国の科学技術省が報告。クローン猫の誕生

2008年01月16日(水)

[ 67 号]

 12月12日、韓国で3匹のクローン猫が無事生まれたことが韓国の科学技術省より報告された。このクローン猫には、人間の遺伝子病を解明するのに有効だと言われている赤い蛍光たんぱく質(RFP)を体内に含んでおり、その副作用から、猫は暗闇で紫外線を当てられると赤く光るという体質を持っている。

 研究に挑んでいたのは、韓国の南慶尚地方に位置する慶尚国立大学のKong Il-keun教授率いる研究チーム。教授は、2004年に韓国内で初めてのクローン猫の誕生に成功しており、以来「クローン動物のエキスパート」として知られている。今回の実験では、親猫の皮膚組織に一種のウイルスを投入し、蛍光を発する遺伝子に修正、それを卵子に移植し、さらにドナーとなる猫の母胎に移植したのだという。

 結果は、1月と2月にそれぞれ帝王切開で3匹のターキッシュ・アンゴラ種のクローン猫が生まれ、4匹目は死産に終わった。出産時は111~136グラム程の体重だったが、現在では3.5キログラムと健康に成長している事が報告されている。通常の光のもとでは、全く他の猫と変わらない外見だが、暗闇の中で紫外線に照らされると、クローン猫だけは赤く光る。

このクローン猫は、米NBC局の報道番組「Today's Show」でも紹介された(http://www.msnbc.msn.com/より)

このクローン猫は、米NBC局の報道番組「Today's Show」でも紹介された(http://www.msnbc.msn.com/より)


 世界で初めてのクローン猫は、2002年にアメリカ、テキサスで生まれた「Copycat」だと言われている。以後、各国で他の動物を利用したクローン実験は数々報告されており、つい最近では日本で猫を怖がらないクローンネズミの成功が新しい。

 クローンの産生について、クローンの技術を人間に適用させることは現在どの国でも禁止措置が採られているが、クローン技術を用いた人以外の動物でのクローン産生は稀少・絶滅種の保護目的や、医薬品などの研究目的に有意義だと見られている。しかもこのクローンに関する研究自体の歴史は、実は40年以上にのぼると言われており、1970年には、イギリスでアフリカツメガエルのおたまじゃくしのクローン産生の成功例もある。今回の赤く光るアンゴラ猫のクローン産生も、人間の遺伝的疾患をもったクローン動物産生の展望を示すきっかけであり、また絶滅の危機に曝されているトラやヒョウの保護にも繋がる手がかりとして重要視されている。
( 松本貴子 )


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