3Dインターネットの“胎動”

ネットビジネスを変える新潮流(第9回)

2008年04月22日(火)

[ 81 号]

3Dインターネットという単なる“箱”

 セカンドライフをはじめとする3Dインターネットについて少し触れておきたい。次世代ブラウザ、コミュニケーションツール、クリエイティブツールなど、いろいろな視点で語られることが多いが、その現状とは? そもそも今の3Dインターネットはゲームの世界で言えば単なる“ハード であり、その中に面白い“ソフト”が存在しない限りユーザーの利用、ましてや粘着度など期待できない。つまりPS3だろうがWiiだろうが、遊びたいソフトがなければハードは買わないのと同じである。次世代ブラウザとの期待もあるが、ブラウズする情報が限定的であればユーザーに使う理由はなく、必然的にユーザー間のコミュニケーションも活性化はしない。話題先行ながら、現時点ではまだソフト開発途上のフェイズと言えるだろう。操作性やPCの必要スペックなど、利用ハードルの高さも指摘されることが多いが、それは問題の本質ではなく、むしろ問題はこういったユーザーベネフィットの欠如というマーケティングの中にあるのではないか?

そろそろ“お手軽化ツール”の出番です

 否定的な意見ばかり述べてしまったが、WEBの大きな潮流としての3D化は否定できない。個人的にも大賛成だ。では今の3Dインターネットに必要なものとは何なのか? それを考えているとWEB LOG(後にブログと呼ばれる)という仕組みによってWEBへのユーザー参加が加速されたことを思い出す。こういった“お手軽化ツール”の出現こそが今の3Dインターネットの世界に必要とされている。たとえばユーザー参加のハードル引き下げという点では、操作性の改善もさることながら、専用アプリケーション不要のアクセシビリティ。ソフトの短期的な増殖という点では、従来の2Dメディア上の既存資産を取り込んで自動3D化する仕組みや、作成した3Dオブジェクトをプラットフォーム横断的にポストできる(持ち込める)仕組み。ベネフィット拡大という点では、1つの3DアバターとプロフィールによるOPEN IDライクな統合ログイン認証機能や、プラットフォーム横断的な検索エンジンなど。これらの環境が整備されることで3Dインターネットの本当の“胎動”が近い将来起こるのかもしれない。

石上  裕◆2000年より株式会社ネットエイジにてさまざまなネットビジネスをプロデュースし、株式会社ライフバランスマネジメント取締役、株式会社タイルファイル取締役を歴任。 2006年9月、株式会社TAGGYを創業し、現在、同社代表取締役社長

石上 裕◆2000年より株式会社ネットエイジにてさまざまなネットビジネスをプロデュースし、株式会社ライフバランスマネジメント取締役、株式会社タイルファイル取締役を歴任。 2006年9月、株式会社TAGGYを創業し、現在、同社代表取締役社長

( 石上 裕(株式会社TAGGY 代表取締役社長) )

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