次世代開発「プロファイルパスポート」

ユーザの行動履歴や嗜好をDB化

2008年03月18日(火)

[ 76 号]

 ユーザの行動履歴を一元的に蓄積し、精度の高いレコメンドを提供する画期的な技術開発が進んでいる。株式会社ブログウォッチャー(東京・港、羽野仁彦代表取締役社長)による「プロファイルパスポート(PP)」事業は、ゲーム形式のバーチャル街「シューティータウン」やテキストマイニング技術などを通じ、ユーザーの属性や嗜好をデータベース化。類を見ない優良マーケティングリサーチデータとして、ユーザ個々人にジャストフィットする情報をリアルタイムで提供する。経済産業省が推し進める「情報大航海プロジェクト」の実証実験として、国を挙げた次世代技術が形作られつつある。

画期的な事業開発に取り組む羽野仁彦社長

画期的な事業開発に取り組む羽野仁彦社長


 多くの事業者は、顧客の購入履歴などからレコメンデーションを行っているが、背後にあるライフスタイルや嗜好性などのパーソナル情報が不足しているため、必ずしも適切な商品を推薦できていない現状がある。

 「プロファイルパスポート(PP)」は、各社に散在するユーザの行動履歴や嗜好性などのパーソナル情報を一元的にデータベース化。精度の高いレコメンドを提供するプラットフォーム構築事業だ。ブログやSNSでの発信内容の解析、占いやゲームといったサービスを用いた情報収集、さらには携帯電話からの移動履歴などを活用。嗜好性や属性を総合的に分析し、ユーザに最適な情報を提供する「コンシェルジュ型レコメンデーションエンジン」の仕組みを作っていく。

 PP事業の実現には、株式会社ブログウォッチャーが開発した画期的な技術とユニークな手法が用いられる。

 このほど開設したSNSバーチャル街「シューティータウン」では、登場人物の「○○は好き?」というさりげない語りかけやクイズなどを通じ、自然な形でユーザ情報を取得していく。アンケートに答えたり、ゲームを進めると、実際に利用できるクーポン券や、ポイントなどが付与される。ブログ上に掲載した商品がゲームの中でのバーチャルアイテムになるなど、ブログとも連動させて意欲をかき立てる。ゲーム形式とすることで、行動履歴を取得されるユーザ側の抵抗感を軽減し、ブログ連動などでモチベーションも保つ仕組みだ。

 一方でPPに大きな役割を果たすのが、同社が開発した日本語解析技術である。これはブログやSNS上で発信されている文章の文脈や言葉の意味を解し、書き手の行動パターンを分析。属性や嗜好性を抽出する画期的なものだ。加えて写真の内容を認識させる技術も生み出しており、CGM上の膨大な情報から優良なマーケティングデータを得ることを可能にした。

 また、「おサイフケータイ」機能付き携帯電話に直接クーポン券やサービス券を転送するRFIDを用いた端末を開発。街中や店舗などあらゆる場所に置くことで、行動履歴集積の範囲が広げていく予定だ。

このほど開発したRFIDを用いたクーポン転送端末。電源のみで設置が可能だ。

このほど開発したRFIDを用いたクーポン転送端末。電源のみで設置が可能だ。


 これらの収集情報を元に、場所や状況などからユーザの嗜好に合った店舗や情報をリアルタイムで提供。利用者側は使えば使うほど有益な情報が手に入るようになってくるわけだ。

 本事業では、プロバイダやSNSなどの事業者との提携を呼びかけている。PPサービスの輪を広げ、広範囲のユーザにその利便性を体感してもらうためだ。提携事業者は、自社ユーザへのゲームや高精度レコメンデーションの提供を通じて、サービス向上につながっていく。同社の羽野仁彦社長は、「PP対応のサイトでは、利用者にマッチした優良情報を提供できる。ぜひ多くの事業者に加わってほしい」と話している。
( 文:櫻井弘次、写真:岡部ユミ子 )

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