SNSとオンラインゲームを公開

プロファイルパスポートの実証実験スタート

2008年03月25日(火)

[ 77 号]

 3月11日、株式会社ブログウォッチャー(東京・港区、羽野仁彦社長)は帝国ホテルで記者会見を開き、行動ターゲティング型情報提供サービス「プロファイルパスポート」(PP)の実証実験を同日からスタートすると発表した。PPは経済産業省が推進する「情報大航海プロジェクト」の次世代技術。消費者一人ひとりが発信するCGM情報や行動履歴などをテキストマイニング、センシングなどの技術とゲームなどを通じて蓄積。コンシェルジュ型エンジンからユーザにジャストフィットした情報を提供するもの。

 今回のPP実証実験ではSNSサービス「Shooti! Town(シューティタウン)」と、オンラインゲーム「Game0.1a wyrd(ウィルド)」のプロトタイプをリリース。2つのサービスを通して、ユーザの嗜好情報などを取得。行動ターゲティング型情報配信サービスの検証を行うもの。同日からテスト会員を募っているが、「サーバ負荷などの面からある程度人数を絞った募集」(羽野社長)となっている。

オンラインゲームを使ったアンケートを実演する羽野社長

オンラインゲームを使ったアンケートを実演する羽野社長


 会見の席上、任天堂Wiiによるデモが行われ、シューティタウンの内容や、ゲームによるユーザ嗜好調査をRPG方式で行えることなどが紹介された。今回、対応デバイスのひとつに任天堂のWiiが挙げられているが、「ネットに対応した他のゲーム機でも理論上使用可能」(羽野社長)としており、間口の広さを窺わせる。

 PPの核となるのがブログの解析だ。テキストマイニング技術は、東京工業大学精密工学研究所の奥村学准教授が中心となって開発。文章を品詞分解し、単語間の係り受け構造を得るもの。奈良先端大が開発した形態素解析器「Chasen」、係り受け解析器「Cabocha」をブログや新聞記事で学習したモデルで解析を行い、精度を高めていく。

東京工大・奥村学准教授

東京工大・奥村学准教授


 会見で奥村准教授は「解析精度を上げるために開発したチューニングツールは、日々変遷する文体に有効で、サンプル数が増えるごとに解析精度が高くなる」と説明。さらに、現在排除している記号や顔文字を解析することで、いわゆる「ギャル文字」の解析も理論上可能だとしており、自由な形で発信されるCGM解析の将来性を示唆した。

 また、株式会社KDDI研究所開発センターでは、2003年からプロファイル流通について研究を進めており、PP事業と連携する。携帯電話に備わるGPS、デジタルカメラ、バーコードリーダなどの機能を用いて、ユーザの行動分析、レコメンデーション、コミュニティ形成支援などに活用する「ケータイdeライフログ」の試験サービスを実施中だ。同研究所の大橋正良執行役員は、「ライフログサーバに蓄積されたユーザの行動データをPPに適用することで、よりアクティブな行動支援が可能となる」と語った。

KDDI研究所開発センターの大橋正良執行役員

KDDI研究所開発センターの大橋正良執行役員


 PP事業の今後について羽野社長は、「精度を高めて実用化し、09年にはβ版の運用を開始したい」と語った。
( 櫻井弘次 )


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