at+link、仮想化サーバを一台丸ごと貸与、ユーザニーズに合わせ構築可能に

2008年05月27日(火)

[ 84 号]

 稼働サーバ数8100台、専用サーバホスティングでは国内トップシェアを誇るat+linkが仮想化サーバ市場に打って出た。この3月から提供開始した「仮想化ソリューション」は、ユーザニーズに応じて3種類の利用プランを設定し、市場の仮想化ニーズに応える。

at+link仮想化ソリューション。ニーズに応じて3つのプランから選択可能。仮想化ソフトにRed Hat VPSではXen、Single Server VPS、HA VPSではVirtual Ironを使用。なおレッドハットの仮想化トレーニングを申し込んだ人にRHEL 5.1+Xenを搭載した専用サーバを 6ヵ月無償で提供するキャンペーンも行っている

at+link仮想化ソリューション。ニーズに応じて3つのプランから選択可能。仮想化ソフトにRed Hat VPSではXen、Single Server VPS、HA VPSではVirtual Ironを使用。なおレッドハットの仮想化トレーニングを申し込んだ人にRHEL 5.1+Xenを搭載した専用サーバを 6ヵ月無償で提供するキャンペーンも行っている


 仮想化技術は、専用のソフトウェアを使うことでサーバのリソースを擬似的に分割し、1台のサーバに複数のサーバ環境を作り出すための技術だ。一般的には、複数のハードウェアを1台に統合(ハードウェアリソースを有効活用)する場合に用いる。

 at+linkにおける仮想化ソリューション提供の背景を株式会社リンクの中島弘基氏は次のように語る。

 「at+linkはSOHOから中小~大企業まであらゆるユーザが利用しているが、その理由は親切丁寧な完全無償サポートと、ユーザの声に耳を傾けながらつくりあげてきた自在性・拡張性に富んだサービス構成にある。今回の仮想化ソリューションも、まさにユーザからの声に応える形でラインナップに加えたものだ」

中島弘基氏 株式会社リンク・ユーザコミュニケーション担当。「仮想化ソリューションによって、専用サーバの可能性をさらに拡げたい」

中島弘基氏 株式会社リンク・ユーザコミュニケーション担当。「仮想化ソリューションによって、専用サーバの可能性をさらに拡げたい」


 ホスティング業界においては、仮想化技術により構築されたサーバを専用サーバの廉価版として切り売りするのが一般的である。

 「確かにそのような利用形態は多いが、at+linkはあらゆる業種で使われているのだから、さまざまなニーズに対応できる仮想化ソリューションを提供したかった」(中島氏)

 そこでat+linkが打ち出したのが「仮想化サービスの仕組みを丸ごと提供する」というものだ。

 リンクの前佛雅人氏も「仮想化サーバ一式を丸ごとお貸しすることで、
ユーザのニーズに合った仮想化環境が構築できる」と強調する。

前佛雅人氏 株式会社リンク・営業技術担当。「サーバのリソース活用と負荷分散によって柔軟度の高いサーバ運用が出来るのが仮想化技術の強み。at+linkならその特徴を最大限に引き出せる」

前佛雅人氏 株式会社リンク・営業技術担当。「サーバのリソース活用と負荷分散によって柔軟度の高いサーバ運用が出来るのが仮想化技術の強み。at+linkならその特徴を最大限に引き出せる」


 具体的には、Red Hat VPSが最大4VPS、Single Server VPSが同12VPS、HA VPSについては無制限となっている。またRed Hat VPSとSingle Server VPSではライセンス費用が無料だ。

 仮想化ソリューションの導入により、ユーザはどんなメリットが享受できるのだろうか。前佛氏は語る。

 「例えばECサイトで検証環境と本番環境を用意する場合、従来はそれぞれ単独でサーバを用意する必要があったが、仮想化ソリューションを利用すれば1台のサーバで実現できる。また、多額の投資を必要とする高可用性を持つ構成も、HA VPSなら従来の数分の一という費用で構築可能だ」

 障害発生時、従来の専用サーバでは障害切り分け、場合によっては代替マシンのセットアップなどに時間を要したが、ある仮想サーバの設定を維持したまま別の物理サーバに瞬時に移動させる技術により、より速やかな復旧が可能となる。

 また、1台のサーバでRHEL(Red Hat Enterprise Linux)とWindows Serverを動かすこともできるし、複数の仮想サーバによるWindows Ser verをシンクライアント的に使うことも可能だ。

 「まずは手軽にVPSを使いたいというユーザから、強い障害耐性を求めるユーザまで、ホスティングに対するより広いニーズに対応できるようになった」と中島氏は自信を見せる。

 今年の夏には仮想化エンジンにVirtuozzo(バーチュオッゾ)を使用し、障害耐性を更に高めた「ノンストップ・ハイエンドソリューション」もリリース予定だ。

IP電話サービスなど多角的に展開

 同サービスにおける8100台の稼働実績は伊達ではない。RHELの無償ライセンス提供に引き続き、今春からはWindows Serverライセンスの無償化にも踏み切った。

 また豊富なサポート経験を生かし、オープンソースのIP-PBX「Asterisk」を用いたIP電話サービス「BIZTEL」を展開。高い評価を得ている。

 加えて、「販促ツールとしても、コミュニケーションツールとしても携帯コンテンツの重要性はますます高まりつつある」として、携帯サイト簡単構築ツール「Mobile Controller」の拡販にも力を入れているという。at+linkは著名携帯サイトが数多く利用しているなど定評があるだけに、携帯向けサービスも大いに期待ができそうだ。
( 文:斉藤円華、写真:岡部ユミ子 )


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