6月2日午前4時からの運用開始が予定されていた「ダビング10」の開始が延期された。開始時期は未定だ。メーカー側はダビング10の実施によって五輪前のボーナス商戦に弾みを付けたいところだっただけに、実施の無期延期は大きな痛手だ。しかも今回の延期は権利者側とメーカーの対立が原因となっている。
iPodなど携帯音楽プレーヤー課金試案からの対立
ダビング10は、ハードディスクレコーダーに録画したデジタル放送による番組をDVDなどにコピーを取る場合、これまで1回の「ムーブ」しかできなかったものを、「コピー9回、ムーブ1回」の計10回までできるようにする、デジタル機器に関する新しいルール。実際にはこのダビング10でも孫コピーができないなど不便な点が多いが、昨年8月に総務省の情報通信審議会で決定された。メーカーはこれに対応できる機種をすでに発売しており、ダビング10の開始に伴ってソフトウェアアップデートなどで対応することになっていた。
すでに決まったことであったはずのダビング10が延期になったのはなぜか。そこには、私的録音録画補償金制度の拡張を目指す権利者側と、DRMとして機能しているものに補償金は不要とするメーカー側との対立がある。
5月8日に行われた私的録音録画補償金小委員会で、権利者側はiPodなどの携帯音楽プレイヤー(DMP)とハードディスクレコーダーへの課金を行うという試案を提出した。ここで権利者側は「完全な著作権保護技術(DRM)ができるまでの経過的措置として」の拡大を主張したが、メーカー側は補償金の課金対象がさらに拡大するおそれがあるとして反対していた。
これに対して権利者側は「ハードディスクレコーダーへの課金がなければダビング10 は認めない」とした。つまりダビング10を人質に取って、補償金の拡大を行おうとしたのだ。29日にはメーカー側に対する懸念を表明する会見も行われた。
メーカー側もかなり感情的になっている。28日にはユーザーに対して行ったアンケート結果を提示し、「補償金は必要ない」という意見が80%以上を占めていると発表。さらに30日には、私的録音録画補償金制度の拡大は消費者の負担を強いるものとして受け入れられないという公式見解をサイトに掲載した。
権利者側の補償金の適用拡大は、MDやビデオといった過去の機器からの移行という面があるのだろう。しかしコピーワンス、ダビング10が機能しているハードディスクレコーダーは、すでにDRMが機能している。DMPも、例えばiPodはアップルの持つDRMであるフェアプレイが機能しており、普通にコピーが可能なわけではない。権利者側はそれらを無視して、単純に補償金の適用拡大を求めていないだろうか。
そしてこの対立で置き去りにされたのはユーザーだ。ダビング10の実施が見送られれば、次世代DVDのときのような規格の混乱が起こり、買い控えも起こる。ダビング10の利便性を受けられないユーザーは、この不毛な争いを見ているしかない。
iPodなど携帯音楽プレーヤー課金試案からの対立
ダビング10は、ハードディスクレコーダーに録画したデジタル放送による番組をDVDなどにコピーを取る場合、これまで1回の「ムーブ」しかできなかったものを、「コピー9回、ムーブ1回」の計10回までできるようにする、デジタル機器に関する新しいルール。実際にはこのダビング10でも孫コピーができないなど不便な点が多いが、昨年8月に総務省の情報通信審議会で決定された。メーカーはこれに対応できる機種をすでに発売しており、ダビング10の開始に伴ってソフトウェアアップデートなどで対応することになっていた。
すでに決まったことであったはずのダビング10が延期になったのはなぜか。そこには、私的録音録画補償金制度の拡張を目指す権利者側と、DRMとして機能しているものに補償金は不要とするメーカー側との対立がある。
5月8日に行われた私的録音録画補償金小委員会で、権利者側はiPodなどの携帯音楽プレイヤー(DMP)とハードディスクレコーダーへの課金を行うという試案を提出した。ここで権利者側は「完全な著作権保護技術(DRM)ができるまでの経過的措置として」の拡大を主張したが、メーカー側は補償金の課金対象がさらに拡大するおそれがあるとして反対していた。
これに対して権利者側は「ハードディスクレコーダーへの課金がなければダビング10 は認めない」とした。つまりダビング10を人質に取って、補償金の拡大を行おうとしたのだ。29日にはメーカー側に対する懸念を表明する会見も行われた。
メーカー側もかなり感情的になっている。28日にはユーザーに対して行ったアンケート結果を提示し、「補償金は必要ない」という意見が80%以上を占めていると発表。さらに30日には、私的録音録画補償金制度の拡大は消費者の負担を強いるものとして受け入れられないという公式見解をサイトに掲載した。
権利者側の補償金の適用拡大は、MDやビデオといった過去の機器からの移行という面があるのだろう。しかしコピーワンス、ダビング10が機能しているハードディスクレコーダーは、すでにDRMが機能している。DMPも、例えばiPodはアップルの持つDRMであるフェアプレイが機能しており、普通にコピーが可能なわけではない。権利者側はそれらを無視して、単純に補償金の適用拡大を求めていないだろうか。
そしてこの対立で置き去りにされたのはユーザーだ。ダビング10の実施が見送られれば、次世代DVDのときのような規格の混乱が起こり、買い控えも起こる。ダビング10の利便性を受けられないユーザーは、この不毛な争いを見ているしかない。
(
矢橋司
)
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『 「ダビング10」開始延期、ユーザー不在の権利闘争へ 』に対する






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