「みんバラ」に見る正しい健康とウェブの連動

2007年06月26日(火)

[ 42 号]

 本紙でも何回か報じているように、「健康」とITの連動がさまざまな形で現れているが、それが最も顕著なのは食品メーカーのサイトではないだろうか。つまるところ、ブランディングにおいて、シンプルかつ便利なキーワードということなのだろう。ただ、成功するかどうかは、その企業にマッチしているかどうか、また、分かりやすさを表現できるかどうかにかかってくるようだ。つまり、奇をてらいすぎても、見る者を混乱させるだけで終わってしまう訳である。

 この点でカゴメが今春に立ち上げた「みんバラ」は実にこなれている。というのも、ここ数年、同社は春のキャンペーンスローガンである「体内環境正常化」に親しみを持ってもらうため、欠かさずウェブコンテンツを立ち上げてきた。そして、今年は毎日食べたものを入力するだけで栄養バランスが分かり、その内容に伴ってキャラクターが変化していくというゲーム感覚に仕上げたのだが、これがメタボリックシンドロームに危機感を募らせる消費者にストレートにアピールした格好である。

 「2カ月で250万PV、登録者数は1万人超といったところ。『バランスをとろう』『野菜をとろう』が今春のテレビCFの訴求のポイントだったため、自然とこういったコンテンツに落ち着いた。カゴメブランドの推進という目的はあっても、製品開発に向けたリサーチの意図はない」(同社広報)

 また、トレンドを取り入れてブログパーツの提供も価値経営にひと役買っている。これも単にカゴメの野菜キャラクターを提供するのではなく、各自が健康チェックを行うことによって育てたキャラを貼り付けさせる仕掛けになっているあたりがいかにもニクい。

 「バイラル広告はいかにも広告として仕掛けた場合、白々しくなってしまう。自然発生的に生まれてこそ価値が出てくると考える。この点で今回の試みは理にかなっているし、今後も時代に合ったツールとして価値が見いだせるアイデアが生まれれば活用していきたい」

 と、ここまで素晴らしさを書いてきたが、残念ながら「みんバラ」は7月2日をもって終了となる。今回の結果は報告書という形で同社のHPにアップされる予定だ。

 「今回の試みは来期のキャンペーンに合わせて作る新サイトに生かしていきたい。食事バランスチェックという、まじめで取っつきづらいものに、楽しく参加してもらえたのは大きいですから」

 スパッとした決断に余裕の発言。中身を伴わない仕組みに酔いしれるのもいいが、ウェブに要求されるのはコンテンツの変化であることは忘れてはなるまい。そして、そう思うユーザーは来年もカゴメのサイトを見てしまう訳である。
( 板垣威史 )

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