NHKのインターネットTVサービス、オランダ「Joost」で番組配信

2008年07月23日(水)

[ 92 号]

 日本放送協会(NHK)は、オランダのインターネットTVサービス「Joost(ジュースト)」に「NHKワールド」の番組を約半年間にわたって配信していくことを発表した。コンテンツは無料で提供。既に洞爺湖サミットの模様が6~9日の期間中、1日5回、30分程度の番組として放送済みである。ちなみに、NHKワールドは、NHKのニュースを中心に情報番組を見ることができる外国人向け英語チャンネル。3つのデジタル通信衛星を使い、ほぼ全世界で放送されている。NHKでは、2008年度中に24時間放送の実現を目指しており、ジューストでの配信には海外の反響をみようという狙いがある。

NHK WORLD (http://www.nhk.or.jp/nhkworld/) JoostはP2P技術を利用したインターネットテレビサービス。Skype(米eBay傘下)の創業者が手がけた同名ベンチャー企業により運営されている。現在ベータ1.1で、Windows XP、VistaとMac OSXをサポート

NHK WORLD (http://www.nhk.or.jp/nhkworld/) JoostはP2P技術を利用したインターネットテレビサービス。Skype(米eBay傘下)の創業者が手がけた同名ベンチャー企業により運営されている。現在ベータ1.1で、Windows XP、VistaとMac OSXをサポート


 「NHKワールドを海外展開するにあたって、どれくらいアクセスがあるか下調べしておく必要があった。ジューストを選択した理由は、登録会員が北米、ヨーロッパだけで500万人いるとされ、調査対象が重なったため。今のところ特に広報活動などは行っておらず、まだ洞爺湖サミットの映像に対してPVも上がってきていない」(広報担当・伊藤良司氏)

 NHKは、海外邦人に向けて「NHKワールドプレミアム」を放送しているが、NHKワールドでは英語へのローカライズを行うだけでなく、コンテンツで差別点を打ち出したいところである。そこで、日本、ひいてはアジア色の強い番組を配信し、反応を探っていくことになる。既に「東京ファッションエクスプレス」「アジアセブンデイズ」ほか、J-POP絡みのコンテンツの投入が決まっており、いずれも新番組が制作されるごとに内容を更新していくということだ。「尺が何分になるかなどは未定。リサーチを目的としているため、できるだけたくさんの番組を投入し、反響をみていきたいと考えている」

先々、自社でネット放送を行う可能性も

 ただ、今回の提携は実験的な意味合いが強く「当初の半年という期間が延長される可能性もあれば、そのまま終了という可能性もあり得る」と同氏。というのも、ジューストのコンテンツパートナーには米ワーナーなど、そうそうたる顔ぶれがそろっており、チャンネル数は480以上。番組数は2万8000を超えている。この中からユーザーがNHKの番組をピックアップするのか。つまり、ニーズを探るのに適当であるかどうかは別問題というわけである。

Joost (http://www.joost.com/)

Joost (http://www.joost.com/)


 「こういった側面を考えると、NHKをワールドワイドに放送するにあたり、先々、自前でインターネット放送を行うことも選択肢として考えられる。行く行くは多言語化も求められるようになるだろう。ただ、今の段階でいえるのは、ジューストにおいて半年にわたり、英語放送を行っていくというところまで」

 なお、NHKは、民放と共同のプラットフォームとして、「テレビジャパン」(北米・ハワイ)、「JSTV」(ヨーロッパと、中東、アフリカの一部)へコンテンツを提供している。もちろん、来年に向け、NHKワールドへ民放の参加を呼び掛けているが、残念ながらなかなか色好い返事はもらえないようだ。
( 板垣威史 )

関連リンク


記事についてのご意見・ご感想

東京IT新聞 特集ラインナップ

専用サーバ・専用レンタルサーバーは at+link におまかせ!

Apple Store(Japan)

東京IT新聞HOTキーワード
東京ITイベント情報

イベントカレンダーを見る カレンダーを見る